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答えと解説

正解は、(1)本当。9割弱の人は軽症でその大部分は治療の必要がない です。

写真はイメージ=123RF

アルコールには、胃酸逆流を促進させる作用があり、お酒をよく飲む人は逆流性食道炎になりやすい傾向があります。

国立国際医療研究センター病院・消化器内科診療科長の秋山純一さんによると、逆流性食道炎は炎症の程度によって4つのグレードがあり、そのうち必ず治療が必要になるグレードCとグレードDは、合わせて1割強。残りの9割弱は、症状によっては治療しなくてもいい「軽症」になります。

「逆流性食道炎と診断された人の多くは、以下のグラフのAとBに相当するグレードです。このうち、週に2回以上、「胸やけ」の症状があると答えた人は2割ほどでした。週に2回、胸やけがあれば、生活の質(QOL)に影響しますので、治療の対象になり得ますが、残りのほとんどの人は、目立った自覚症状がないので特に治療する必要はありません」(秋山さん)

右の円グラフの出典:J Gastroenterol. 2009;44(6):518-534.

「グレードAやBの軽症の場合、治療は基本的に本人次第で、つらいと思ったら通院して治療すればいいのです。しかし、グレードCやDの重症となると、そうはいきません。なぜなら、逆流がひどくなると、合併症を引き起こすリスクがあるからです」(秋山さん)

初期治療では、胃酸を抑え、胃の中の酸性度を弱めるプロトンポンプ阻害薬(PPI)と言われる薬を処方します(4~8週間)。これは軽症でも、知覚過敏で胸やけの症状がある人にもよく効きます。日本で開発され2015年にリリースされたボノプラザン(商品名:タケキャブ)はカリウムイオン競合型酸ブロッカー(P-CAB)と呼ばれ、従来のPPIよりも強力に胃酸を抑えることができます。投与した初日から効果を示し、24時間にわたって安定した薬効を感じることができます。薬効に個人差が少ないのも特徴です。

また秋山さんによると、「その人の症状に合わせ、食道の粘膜を保護し、胃酸を中和する制酸薬(酸中和薬)、消化を促進させる消化管運動改善薬、胃底部を広げ、げっぷを出にくくする漢方薬の六君子湯(りっくんしとう)も併用できる」とのこと。制酸薬は、胃もたれや胸やけなどの症状が出たときに補助的に用いることが多いようです。

なお、胃酸の分泌を抑える市販薬もあります。軽症の場合は、症状が出たときにこうした市販薬に頼るのでもいいでしょう。しかし、重症で治療が必要な場合は、「きちんと医師の指示に従って投薬したほうがよい」と秋山さんは話します。

この記事は、「胃酸逆流を悪化させない酒とつまみの選び方」(執筆:葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト)を基に作成しました。

[日経Gooday2022年7月11日付記事を再構成]

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