変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

「どんな仕事も逃げずに挑み、自信をつける作業を繰り返してきた」と新卒から約30年の日々を振り返る。現在はパナソニックホールディングスのグループ・ゼネラル・カウンセル(法務担当トップ)を務めるが、法務の仕事も挑戦の過程で偶然出会った。6月からは生え抜き初の女性取締役執行役員に。慣れない業務の数々に「今がキャリア最大の壁」と笑う。

幼少期を米国で過ごした経験から、入社当初は「世界中を飛び回る仕事をしたい」と夢を描いた。若手時代の一番の思い出は、ゲーム機の新規事業の部署で経験した米国出張。飛行機で感じた高揚感と、眼下に広がっていたサンフランシスコの広大な景色は今でも鮮明によみがえる。

かたや今に続く法務の仕事は、当時の理想とは真逆。新規事業が急激に低迷していく中、国内外の企業との契約業務に関わった経験を買われて20代後半で異動するまで、全く進路の選択肢になかった。「この会社で働き続けるには専門家になる必要がある。目的と合致しなくても一度挑戦してみよう」

しょうとく・あやこ 1991年松下電器産業入社、2005年ペンシルベニア大ロースクール修了。22年現職。

しょうとく・あやこ 1991年松下電器産業入社、2005年ペンシルベニア大ロースクール修了。22年現職。

これがはまった。「条件を定め、交渉して契約を締結する。一連の業務が面白く、組織に欠かせない機能だと分かった」。仕事の楽しさに目覚めるうちに「学問として法的な考え方を学んで」と上司に背中を押され、大学に通い直した。米国のロースクールにも進み、2006年に米ニューヨーク州の弁護士資格を取得。帰国する頃には法務の道に生きる意は決していた。

今の仕事の原動力は、4年前の苦い経験にある。米国の子会社が同国の司法省と証券取引委員会から不正会計や賄賂の調査を受けた際の法務責任者だった。制裁金の支払いなどで合意したものの、担当従業員の懲戒処分は避けられなかった。「会社のためとはいえ、従業員を守り切れなかった」。退職も頭をよぎった。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック