Men's Fashion

この冬はグリーンがトレンド 「初心者」の着こなし術

プロのコーデ

SEPTISオーナー 玉木朗さん

2021.11.11

SEPTISオーナーの玉木朗さん

この冬はグリーンがトレンドカラーだ。レディースウエアでは、ボッテガ・ヴェネタやプラダなど、さまざまなラグジュアリーブランドがグリーンのアイテムを展開している。メンズウエアでも、オリーブグリーンを基調とするミリタリーウエアや、それをアメカジ(アメリカンカジュアル)風に落とし込んだ着こなしが人気だ。「なじみが薄い色」と感じる人も多そうだが、これから挑戦するならどう着こなせばいいだろうか。グリーンのアイテムの魅力は、どこにあるのか。東京都世田谷区の三軒茶屋にある「SEPTIS」のオーナー、玉木朗さんに聞いた。




グリーンの服やアイテム トレンドの「歴史」では目立たず

――玉木さんは1970年代ごろから変わらずアメカジファッションを取り入れていると聞きました。これまでにグリーンがトレンドだったことはありますか?

「ミリタリーウエアが人気だったことはありましたが、グリーンという色そのものが注目されたことはおそらくありませんでした。癖のある色という位置付けだったので、国産のメーカーがグリーンの服を作ること自体珍しかったんです。それが今、トレンドになっているのは面白い現象だと思いますね」

――玉木さん自身もあまりなじみはなかったのでしょうか?

「実は、僕自身はよく身につけていました。きれいな色だと思っていましたし、米国から輸入された服でしか見かけない分、憧れがありましたから。アイビースタイルでは、ネイビーのアイテムが主流だったので、グリーンで個性を主張できたんです。他の色と合わせにくく、ネイビーより使い勝手がよくないところも僕のあまのじゃくな性格に合っていたのでしょうね(笑)」

――実際には、どんなアイテムを身につけていましたか?

「コーチジャケットやポロシャツ、ベルボトムのコーデュロイパンツなどですね。トップスからボトムスまで、アイテムにこだわらず取り入れていました。もちろん今でもよく着ています。一口にグリーンと言っても色々な種類があるのですが、僕が好きだったのは彩度の低いもの。ダークグリーンや、アメリカのダートマス大学のスクールカラーであるダートマスグリーンなどが多かったですね。彩度が低い方が他の色とも合わせやすかったんです」

初心者にはオリーブがおすすめ 黒と合わせやすい

――グリーンのアイテムを取り入れるときに注意すべき点は?

「他のカラーに比べて、相性の良しあしがはっきりしている点です。例えばダークグリーンに黒や濃紺を合わせると重たい印象になるのであまりおすすめしません」

――グリーンの色味によっても合わせやすさは変わりますか?

「そうですね。一口にグリーンと言っても彩度やくすみ具合によって雰囲気が異なるので、鏡を見ながら何度も着こなしを確かめてみるといいでしょう。これから挑戦する方におすすめなのはミリタリー風のオリーブグリーンです。グリーンの中でも最も相性のいい色が多く、黒と合わせても違和感が生まれにくいですよ」

「ネイビーとグリーンのコーデはおすすめしません。合わせるなら水色に近い色味のものを選ぶといいでしょう」 ジャケット 4万4000円(マックレガー)、シャツ 1万2980円(セプティズ)、パンツ 1万6280円(バーンストーマー×セプティズ)、ベルト 2万9920円(ハーディーアンドパーソンズ)、ソックス 1430円(ハリソン)、シューズ(私物)

――彩度の低いグリーンを着こなすコツはありますか?

「白やベージュ、オフホワイトなど、淡い色と合わせることですね。グリーンの存在感が引き立てられて、軽快な印象になります。あとは補色の関係にあるピンクも相性がいいですね。深いグリーンのスラックスにピンクのシャツを組み合わせれば、こなれた感じに見えますよ」