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どのような状況ならば転職を考える好機なのか、転職を準備するのにふさわしい時期か。今回取り上げる「転職を検討してもいい5つのサイン」が見えたら、そのときは確実に次に進むほうがよいタイミングだといえます。さて、その「5つのサイン」とは、どういうものでしょう。

丸2年を超えた新型コロナウイルス禍は、私たちの生活観や就労観に大きな影響を及ぼしました。仕事の意義は何か。自分が追求すべきライフワークは何か。これらを多くの人が問い直すことになり、それが転職へ背中を押すことにもつながっています。

成長機会の有無や勤め先のありようは、転職を選ぶ理由になり得る(写真はイメージ) =PIXTA

成長機会の有無や勤め先のありようは、転職を選ぶ理由になり得る(写真はイメージ) =PIXTA

しかし、そもそも転職は慎重に進めるべき「大事(おおごと)」です。勢いに任せた転職活動は「ちょっと待てよ。冷静に」というケースが多いものです。勢いで踏み出した転職は「しまった。失敗した」となることも少なくありません。

「社外異動」すべき2つのサイン

先日、転職相談を受けたAさんは、40代で取締役・最高情報責任者(CIO)を務めている人です。「これまで5年をかけて、老朽化していた基幹システムの全面刷新を完了しました」とのこと。自社にはとても愛着があり、この5年の間に昇進して現在の立場に至っています。

「しかし、ここから先は完成したシステムの運用しか自分が担える役割がないのですよね」。システム以外の他の職務も担える人ですが、そちらについては社長が兼務していて、そこを任される見込みはないそうです。

「まだこの年齢で、あとは保守運用だけというのは、自分の性格的にもちょっと耐え難く、ならば新たなチャレンジができる外の機会を考えようと思うのです」

前向きに転職を考えるタイミングとして、勤め先を変える「社外異動」が望ましい2つのサインがあります。それは現在の会社において「これ以上の成長可能性がない」「達成したかったことを達成できた」という場合です。

「これ以上の成長可能性がない」のケースでは、社外へ転じるという選択肢が有望になってきます。人はずっと同じことを続けていると、どこかの時点で成長を得にくくなるものです。異動や担当変更は、他の目的(例えば特定の人に専門が偏りノウハウが共有されないとか、外部との固定的な関係性からくる癒着を防ぐなど)もありますが、なによりも社員一人ひとりの成長機会やリフレッシュという側面があります。

成長停滞の解消には、現在の職場環境において仕事の内容を組み替えたり変更を加えたりすることが第一です。「職務の再活性化」はちょっとしたミッション変更や修正だけでも実現することが少なくありません。

とはいえ、そのような足元のギアチェンジをやりつくしてみても、今の勤め先で今後、これ以上の成長機会が得られそうにない場合は、転職という「社外異動」は前向きな選択肢となります。

「達成したかったことを達成できた」についても同じく、転職が解決策になり得ます。やりたいと思えることが何も残っていないので、現在の職場やポジションではもはや成長できないからです。

Aさんのケースもこのパターンでしょう。大きなミッションが完了した。会社にはその機会をこれまで与えてくれたことにとても感謝しているし満足もしている。果たすべき役割を完遂でき、達成したかったことは達成した。そして、ここから先を考えたときに、もし社内にもはやこれまで以上の機会やニーズがない。そういう状況ならば、会社ともすがすがしく話し合い、合意の上でいつでも次の新しい挑戦に進めるはずです。

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