Men's Fashion

「フランス最優秀」の日本職人が作る かばんの名品

How to

持っておくべき男の逸品(10)

2022.12.13

MEN'S EX

ジャケットやシャツと異なり数をそろえることの少ない鞄(かばん)こそ最高のものにこだわりたい。そんな特別をかなえる、今最も注目すべき職人のブランドを紹介する。




HOSOÏ-PARIS(ホソイ-パリ)

MOF章(フランス国家最優秀職人章)を得た日本人職人によるメゾンブランドに比肩する逸品

ジャケットやパンツほどたくさんの数を持つわけではない鞄こそ、一生愛用できる定番品を求めたい。ならば、とことん満足できる品を探したい。そこで紹介したく今最注目の鞄ブランドが思い浮かんだ。それがこちらの「ホソイ-パリ」なのだ。

代表である細井聡氏は、かのエルメスの子会社のアトリエで2004年より修業を積み、その後エルメスへ入社、そして2015年にはフランスの“国家最優秀職人章(MOF)”を授章し、2020年に自身のブランドを設立した人物。この経歴を聞くだけでただ者ではないとわかる。そして、実際に彼が手掛けた鞄を見ると、そのオーラに圧倒された。

「個人的に大切にしているのは、ディテールのあり方かもしれません。見栄えが良いからといって機能的に意味を持たないディテールを加えることはありません。不要なディテールは、全体の美しさや物としての正しいあり方を損なってしまいます。また、革本来の個性を生かしてデザインをすることも重要です。革自身の持つ長所が、そのまま鞄の魅力となるようにデザインを考えています」

細井氏は自身の物作りについて、このように語ってくれた。全ての製作工程を自身でこなすからこそ宿る、一人の職人の美学が、その鞄から感じられた。

柔らかい革を用いて身体に沿って斜め掛けで持てる鞄。「オレイユ デレフォン GM」縦37×横37×マチ8cm。3700ユーロ。

抱え持ちもできるブリーフケース「サブリエール」縦27×横35×マチ6cm。5800ユーロ。

唯一のバックパックのモデル。「RITA」縦38×横32×マチ13cm。5000ユーロ。

崩れるような柔らかい形が美しい。「サクラ」縦35×横34×マチ15cm。4000ユーロ。