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社会で活躍する若手リーダーたちはどのようにキャリアを形成していったのでしょうか。経営コンサルティング会社、A.T. カーニーの滝健太郎パートナーが「創造と変革のリーダー」を招き、キャリア形成術をアドバイスします。今回は弁護士を志して東京大学法科大学院に入学し、その後はスタートアップ企業3社を経験しながら、兼業ライター(マンガ・ドラマ原作者)としても活躍中の平松氏(女性)の事例をもとに、業務や職種、領域などを「越境」することで身に付けた多様なスキルや経験がどのように生きたかを明らかにします。

――東大法科大学院に合格後、スタートアップに就職するという異色の経歴です。

平松氏 10代の頃に両親が離婚し、母からは「女性は手に職を付けた方が良い」とよく言われていました。年収の良い資格職として弁護士になろうと思い、法科大学院を目指したんです。ところが、受験の年に東日本大震災が起きました。震災時は司法試験の塾で模擬試験を受けていたんですけど、とんでもない地震が起きているのに、みんな次の2次試験のための勉強に夢中で逃げません。これはおかしいじゃないかと思いました。そこから、もし明日死ぬとしたら何をやりたいかを初めて考えるようになり、実は手に職を付けたいわけではないのかも、との思いに至りました。もともとメディア業界の仕事に興味があったので、合格後に就職活動を始めました。

「女性は手に職を付けた方が良い」と母からアドバイスされたという(写真はイメージ=PIXTA)

「女性は手に職を付けた方が良い」と母からアドバイスされたという(写真はイメージ=PIXTA)

――それだけの方針転換は怖くなかったのでしょうか。

平松氏 怖さというより、むしろ焦りを感じていました。メディア業界の就活はみんなかなり準備して臨むので、出遅れていたからです。自分が今からできることは何だろうと思い、ツイッターで見つけた編集者にとにかく手当たり次第にメッセージを送り、話を聞いたり、出版社の前に張り込んで名刺をもらったりしたんです。

出版が斜陽なら、業界を変革できる関わり方を模索

――そんな出版社での就活から一転し、当時はそれほど一般的ではなかったスタートアップへの就職をなぜ選択したのでしょうか。

平松氏 編集者に話を聞くと、この業界は斜陽なので、来ない方が良いと言われたんですね。でも、とてもメディア業界が好きだったので、諦めませんでした。もし本当に斜陽なら、自分がヒットを1つ出すより、何か業界全体を変革できるような関わり方がいいんじゃないかと思うようになりました。そんな時、新しいデジタルメディアの立ち上げのニュースが目に留まり、「なるほど、デジタルか」と思い、その立ち上げ人に話を聞きに行きました。当初はインターンシップ(就業体験)という話だったのですが、「じゃあ、うちに入る?」という流れで、社員1号・新卒1号になりました。まだサービスも立ち上がっていなかったので、サービス立ち上げスキルが身に付きましたね。

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