転職スカウトを呼び込む技 SNSで自己PRを発信エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

SNSでの発信は転職スカウトを呼び込みやすくする(写真はイメージ) =PIXTA

「当面、転職するつもりはない。けれど、いつでも転職のチャンスを呼び込めるようにしておく」――。近年、そのような意識を持って行動する方が増えてきていると感じます。今回はスカウトの声が掛かって、転職が現実になる展開と、声が掛かりやすくなる発信についてご紹介します。

「今の会社に大きな不満はないし、すぐに転職する気はない。けれど、将来的には転職も視野に入れている。転職関連のサイトやSNS(交流サイト)で自分の経歴をオープンにしておき、スカウトの声がかかる状態にしておく。自分を求めてくれる企業、自分がやりたいことができる企業から声がかかったなら、転職を具体的に検討したい」。こういった考え方を持つ人が増えつつあります。あるいは「転職する・しないに関わらず、ビジネスやキャリアに関する旬なトレンド情報は常に入ってくる状態にしておきたい」。 このように考えるビジネスパーソンが、年代を問わず増えているのです。

私たちのような転職エージェントは、企業から求人依頼を受けたとき、すぐに紹介できる人材が思い当たらなければ、「ビズリーチ」「CAREER CARVER(キャリアカーバー)」「iX(アイエックス)転職」「LinkedIn(リンクトイン)」といったサービスの登録者データベースにアクセスし、該当する人材を探しに行きます。そして、「この方」と思う人材を見つけたら、「あなたにマッチすると思われる求人案件がある」というスカウトメールを送り、面談を申し出るのです。

ビジネスパーソン側もそうした構造を理解していて、自らのキャリア戦略に活用しようとしているようです。もちろん、転職エージェントからだけでなく、企業の人事や、ビジネスパートナーを探している起業家などからのアプローチへの期待もあるでしょう。

特にLinkedIn(リンクトイン)は、そうした目的を持つ人たちのプラットフォームとして、最近さらに活性化していると見受けられます。ちなみに、私がLinkedInなどに登録している人にお声がけした場合も、高い確率で面談を受けてもらえることが増えたと感じます。

感触としては、「すぐにでも転職したい」という方は2割、「機会があれば転職してもいい」という方は6割、「転職する気はないが情報収集はしたい」という人が2割程度です。

近年、大手企業も「終身雇用の崩壊」に言及するなど、人材流動はますます加速へ。自身のキャリアにプラスになる情報をいち早くキャッチするために、自身のことをオープンにし、「カジュアルな縁作り」を図っているのです。

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転職意思はなかったけれど、転職を決意したAさんのケ
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