医療法人オーク会の田口早桐医師「多様なニーズにこたえる工夫が必要」

不妊治療は現在どのような形で行われており、4月からの保険適用の拡大に伴ってどう変わろうとしているのか。大阪市や東京都で不妊治療クリニックを展開する医療法人オーク会(大阪市)の田口早桐医師に聞きました。

――子供を望む人たちにとって、不妊治療に保険が本格適用されることの恩恵は大きいと考えますか。

医療法人オーク会 田口早桐 医師

「一部の患者さんにとっては恩恵が大きいといえます。特に若い年齢の方で、不妊の原因がはっきりしている場合には、不妊治療に保険が使えるメリットは非常に大きいと思います。こうしたケースでは、治療が今回保険適用となる標準的な治療法だけで対応できることが多いためです。一般に年齢が若いと体外受精などの成功率も高くなります」

「一方で年齢を重ねている方の場合は話はそう単純ではありません。また、若いうちに卵子を凍結保存して将来の妊娠に備えるなど、生殖補助医療のニーズは多様になっており、ケースによっては保険治療だけでは対応できにくい状況が想定されます」

――不妊治療の形態が以前とは違ってきているということでしょうか。

「結婚年齢が高くなっていること、それから不妊治療の技術自体が進歩していること、この2つのことから不妊治療の形態や位置づけが様変わりしています。治療手段は妊娠しやすい時期を指導する『タイミング法』、排卵の時期に合わせて精液を子宮内に注入する『人工授精』、卵子と精子を体外に取り出して受精させる『体外受精』の3つがあり、これを順を追って試していくというのが10~20年くらい前までの一般的なパターンでした」

「このように体外受精は他の方法でうまくいかなかった場合にやむなく行うという位置づけだったと思います。しかし近年は例えば40歳代で結婚されて、子供が2人欲しいという場合、自然妊娠ではなかなか難しいだろうと自分で判断されて、最初から体外受精を希望して来院されるケースもあります」

「体外受精を妊娠・出産のための手段としてライフプラン設計に活用しようという意識が強くなっているのです。体外受精の時期も、できるだけ若い時の方が有利なので、まず体外受精をして受精卵を凍結保存しておき、将来適切なタイミングで妊娠・出産したいという希望も増えています」

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