「女性に土地は預けられない」悔しさバネに行動変える三井不動産執行役員・宇都宮幹子さん(折れないキャリア)

2021年4月、不動産売買や活用を提案する部長として執行役員に昇格した。同社では初の生え抜きの女性執行役員だ。

入社は1991年。新卒で入社した女性総合職は2人だけだった。男性中心の業界だが、社内では働きにくさは感じなかった。

だが一歩外に出ると、事情は違った。「10年後は辞めているんでしょ。女性が説明に来るなんてとんでもない」。仙台支店に赴任していた20代の頃のことだ。マンション開発を担当し、建設による影響を近隣住民に説明に回ると、そんな声をかけられた。「まだ若くて経験や実力が乏しいからだ」。自分なりにそう理解し、努力を重ねた。

うつのみや・みきこ 1991年三井不動産入社。資産マネジメント本部などを経て21年4月より現職。

入社から10年たち、仕事がこなせるようになったと自負し始めていた矢先、今度は高齢の男性地主から「若い女性に先祖代々の土地を預けられない」との言葉を投げかけられた。不動産活用を提案した際の出来事だ。「女性は駄目だと思う人は存在する。私の実力とは関係ないのか」。悔しい気持ちがあふれた。

「人の気持ちは簡単に変えられない。自分の行動を変えていこう」。そう決断した。女性を軽んじる顧客や取引先との交渉は、男性社員らに交代してもらうようにした。それまでは「全てを自分でこなすことが重要」と考えていた。だが周囲の協力を仰いだ方が、物事が進むと理解した。