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「長く働ける制度があったのが、志望動機となった」。東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)に一般職で入社したのは、当時、結婚などで会社を辞めた後の再雇用制度があったためだ。母親から「自分で稼いで食べていきなさい」と幼い頃から言われ「手に職を」と思い続けてきた。選んだのが今の会社だ。

入社後7年間、事務職として働き、営業担当に転じた。突きつけられたのは保険という形のないものを売る難しさ。千葉県内の支店で、保険販売の代理店をする税理士や自動車修理工場などのサポートを担当した。訪問の時機や内容が悪いのか、最初は担当の税理士に「めちゃくちゃ怒られた」と振り返る。

「相手は何を期待しているのか」。怒られ続け、真剣に考えるようになった。税理士本人に聞いて分からなければ、事務所の職員に聞く。事務所のニーズや相手の性格に合わせ、提案の仕方を細かく変えた。

すずき・けいこ 1990年東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社。館山支社長などを経て2021年現職。

すずき・けいこ 1990年東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社。館山支社長などを経て2021年現職。

他に自分が代理店に貢献できることは何か。考えた結果、行ったのが代理店の事務作業の効率化だ。仕事の流れを細かく聞きとり、保険料の徴収、領収書の発行など、事務作業をより手際よく進められる方法を提案していった。

当時は事務と営業の両方を経験している人材は少なかった。効率化の提案は事務職出身だからこその「得意分野」だ。効率化により代理店の収益が上がると、性差や年代差を超えて信頼を得た。「鈴木さんはいつ転勤になるのか」。活躍ぶりにおそれをなした同業他社から上司が聞かれるほどになった。

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