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シクリッドの母親 子食いでストレス解消、健康促進

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ナショナルジオグラフィック日本版

子育ては大変だ。最新の研究によれば、子育てがあまりに大変なため、自分の子どもを食べるものがいるという。それも、4分の3以上も。

「驚きの事実です」と、2022年11月9日付で学術誌「Biology Letter」に発表された論文の上級著者である米セントラル・ミシガン大学の生物学者ピーター・ダイクストラ氏は語る。「このようなことが本当によく起きています」

アフリカ中央部に生息するシクリッド科(カワスズメ科)の魚アスタトティラピア・ブルトーニは、口の中で子どもを育てる(マウスブルーダー)。この口内保育は魚類、特にシクリッド科では一般的だ。シクリッドはカラフルな淡水魚で、ペットとして人気がある。A・ブルトーニの場合、卵が受精したら、母親は外敵から守るため、約2週間にわたって卵を口の中に入れておく。

卵がふ化したら、稚魚たちは母親の口から飛び出すが、危険が迫ると、口の中に急いで戻る。稚魚にとっては最高の隠れ家でも、母親はたまったものではない。稚魚が口の中にいる間、呼吸も食事もまともにできないためだ。

しかし、今回の研究で、母親は一部の稚魚を「子食い」することで、ストレスに対処しているらしいことがわかった。

さらに、この研究では子食いの程度と母親の健康が初めて関連づけられたと、研究を率いた米ミシガン州立大学のジェイク・サウェッキー氏は述べている。

母親が自分の子どもを食べて健康を増進させるというのは、特に進化の観点からすれば、直感に反すると思われるかもしれない。「自分の子どもを食べてしまうと、自分の遺伝子を残すことができませんから」とサウェッキー氏は説明する。

しかし、今回の研究は、自分の子どもを食べることで、体内の抗酸化物質が増加し、数カ月後に再び産卵できて長い目で見れば有利な可能性を示唆している。

母親のストレス

サウェッキー氏とダイクストラ氏は、セントラル・ミシガン大学の研究室で、オスとメスを混ぜたシクリッドのグループをいくつか飼育した。数週間の飼育中、約80匹のメスが産卵したことが確認された。

研究者たちはメスの口からすべての卵を丁寧に取り出した。そして、卵を取り出したメスのうち半分の口には、プラスチックのピペットを使い、それぞれ約25個の卵を戻した。卵を戻さなかったメスも比較するため、同じ条件で飼育を続けた。

2週間の観察を終えた時点で、卵を戻したメスは平均約40%の子どもを食べていた。卵を戻したメス31匹のうち、子どもを食べたのは29匹で、その割合は93%強だった。

次に、チームは母親の酸化ストレスを評価した。酸化ストレスは組織中の生化学的マーカーで測定できる。例えば、肝臓で特定の化学物質の濃度が高まると、細胞の損傷や病気、感染症の原因になりうる酸化ストレスの存在が示唆される。

研究中の3つの段階で、数匹の母親の組織の検査を行った。その結果、酸化ストレスレベルが高い母親ほど、多くの子どもを食べていた。子どもを食べることで、体内の抗酸化物質が増えることによる恩恵を受けていると推測される。

今回の研究では、シクリッド科の1種しか調べていないが、子食いは「多くの種が用いる適応戦略」だとサウェッキー氏は推測している。

シクリッドはむしろ「良い親です」

カレン・マルスカ氏は米ルイジアナ州立大学の生物学者で、A・ブルトーニの研究に携わっている。ただし、今回の研究には参加していない。

「2週間も食事を取らずに口内保育を行うメスが、どのように生き延び、健康を維持しているかという謎の興味深い一端が、今回の研究によって明らかになりました」とマルスカ氏は評価する。

自分の子どもを食べるこの魚が「ペアレント・オブ・ザ・イヤー」を受賞することはないだろう。それでも、「口内保育を行うシクリッドは熱心な親だ」と、米ルイジアナ州立大学自然科学博物館で魚類の学芸員を務める魚類学者プロサンタ・チャクラバーティ氏は述べている。

「魚は卵を産み落とし、そのまま放置すると多くの人が思っていますし、一部の種についてはその通りです」とチャクラバーティ氏は話す。しかし、シクリッドは口内保育を行うため、むしろ「良い親です」

たとえベビーサイズの軽食を必要とするときがあったとしても。

(文 TOM METCALFE、訳 米井香織、日経ナショナル ジオグラフィック)

[ナショナル ジオグラフィック 日本版サイト 2022年11月11日付]

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