
焼き物と料理をひと口ずつ、大皿に盛り合わせた「焼き八寸」は、なんとこのひと皿に、「赤こんにゃくと野菜の黒胡麻(ゴマ)あんかけ」「銀鱈(タラ)の西京焼き」「花豆の蜜煮」「慈姑(クワイ)」「カステラ鰻(ウナギ)博多」「蛸(タコ)の柔らか煮と鮑(アワビ)の柔らか煮」、「エシャロットのとりみそ」と、7つもの品が並ぶ。
「カステラ鰻(ウナギ)博多」の「博多」とは 博多帯の織り柄のように2種類以上の色が違う材料を重ねた料理につける名称。
ていねいに仕事をほどこされた料理を口にするたび、ひと口ひと口変わる味わい。食べるたびに新しい感動に出合える一皿だ。
ここまで食べるとなかなかのボリュームだが、ここで5品目「炊き合わせ」の登場だ。

先ほどお椀でも説明したこだわりのだしを使い、よく煮含めた炊き合わせは、「里芋、筍(タケノコ)、車海老(エビ)、鯛(タイ)の子と菜花の生姜(ショウガ)あんかけ」。
先ほどの八寸の華やかな味わいから一転、食材の持つ味を生かした淡い味付けが心地よく、また素材ごとにそれぞれ、きちんと食感を引き出した火入れに思わずうなる。
シメの食事はあっさりツルツルと食べやすく、常連客からの評判もいいという「蕎麦(そば)」で。
産地は時季ごとにおいしい産地のものを使い(今回は会津産のそばを使用)、粗びきに仕上げたそばは、なんと「里仙」の料理に合わせてそば店に頼んで作っているそうだ。
歯ごたえとのどごしがよく、たくさん料理をいただいた後でもさっぱりおいしく食べられる。風味高いカエシとそばつゆは料理長こだわりの自家製だそう。
最後のデザートは、すべて手作りしているという和仕立てのスイーツ。今回は「酒粕のムース」と「水羊羹(ようかん)」。
華やかな香り立つムースはもちろん、水羊羹は小豆を炊くところから仕込んでいるこだわりのデザートは、日によっては数品出るそうだ。
今回紹介したランチ懐石のコースはもちろん、ほかのランチメニューでもデザートまで手作りのものを出すという「銀座割烹 里仙」。
ランチメニューは最低でも月ごとに、またディナーメニューは1~2週間で変わるそうなので、「銀座で和食」としてぜひブックマークしておきたい店だ。
<メニュー>
・昼のお品書き
ランチ懐石「匠」 5500円 / 四季折々弁当 2750円 /木挽膳 1650円 ※価格は税込み。
住所:東京都中央区銀座8-18-3 銀座加藤ビル1F
電話:050-5485-3926
営業時間 月~土 ランチ 11:30~15:00、ディナー 17:30~22:00 ※行政の要請により変更あり
定休日 日曜・祝日・不定休あり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。