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アプリダウンロード数の世界ランキングで1位となった「TikTok」。強さの秘密とは?(写真:Ascannio/Shutterstock.com)

アプリダウンロード数の世界ランキングで1位となった「TikTok」。強さの秘密とは?(写真:Ascannio/Shutterstock.com)

アプリのダウンロード数の世界ランキング2020年版で、動画投稿アプリのTikTok(ティックトック)が、フェイスブックなどを抑えて第1位になりました(米App Annie調べ)。中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が提供するTikTokが世界的に大成功した理由の1つは、同社のビジネスモデルにあります。今年5月に発売された『世界最速ビジネスモデル 中国スタートアップ図鑑』(日経BP)の一部を抜粋・再構成して、TikTokを世界一にしたビジネスモデル展開のポイントを解説します。

◇     ◇     ◇

ポイント① TikTokの原型はニュース配信アプリ

(イラスト:yamyam、『世界最速ビジネスモデル』172ページに掲載)

(イラスト:yamyam、『世界最速ビジネスモデル』172ページに掲載)

TikTokを運営するバイトダンスは、張一鳴(ツァン・イーミン)さんが創業しました。張さんは、中国の南開大学卒業後、スタートアップへの参画や大企業での就業を経て、2012年にバイトダンスを設立しました。

張さんは、バイトダンスの設立直前まで、自ら設立した不動産情報検索サイト「九九房」のCEO(最高経営責任者)を務めていました。2009年には他社に先駆けてモバイルインターネット市場向けのサービスを導入し、150万人の利用者を獲得していました。

しかし、張さんは2011年に九九房のCEOを辞任して、バイトダンスの設立に踏み切ったのです。2011年といえばスマホの出荷量がピークを迎え、爆発的に普及していた時代です。ある日、張さんは地下鉄で新聞を読んでいる人が激減していることに気づきます。張さんは、情報伝達の媒体が紙からスマホに変わると感じました。

「2011年末には、情報を伝達する媒体が変わると思いました。紙媒体から携帯電話へと変わり、リアルタイム性、双方向性、マルチモード機能、さまざまなテーマの情報を伝達できるようになります。垂直統合型よりも、プラットフォーム型のビジネスができるとても珍しいチャンスなので、起業を決意しました」

スマホで毎日見るものは何か?

スマホのプラットフォームビジネスを始める決意をした張さんですが、最初に始めたのはTikTokではなく、ニュース配信のアプリでした。TikTokの成功は、その原型となったニュース配信アプリを抜きに語ることはできません。

まず張さんはこう考えました。スマホで情報を提供するのであれば、多くの利用者が毎日閲覧するものでなければなりません。ニュースであれば、毎日、多くの人が読みますし、朝夕と適切なタイミングで配信することができます。張さんは、ニュース配信アプリに目をつけて「今日頭条」(本日のトップニュースという意味)という名のサービスを始めました。

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