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内閣府の「男女共同参画白書」(2022年版)によると、21年の雇用者の共働き世帯は1177万世帯だった(妻64歳以下、以下同)。このうち、妻がフルタイムの共働き世帯に限っても486万世帯に上り、専業主婦世帯(458万世帯)を上回る。22年4月には男性の育児参加を促す改正育児・介護休業法が段階的に施行され、性別を問わず、仕事に、家事や育児にと多様な役割をこなす両立ライフが広がりそうだ。上手に乗り切るうえで、どんな工夫や支えがあるだろうか。「日経ウーマノミクス・プロジェクト」の調査から2回に分けて紹介する。

調査は7月5~12日、日経ウーマノミクス・プロジェクトの会員を対象に実施した。仕事と育児の両立生活を送るうえで、同じような立場の人にシェアしたいと思う「暮らしの知恵」や自身にとって「助けになった一言」を自由回答形式で寄せてもらった。回答者の多くは、会社員や公務員ら「勤め人」が占めた。

「前編」となる今回は、「暮らしの知恵」として寄せられたアイデアや工夫を見ていく。

スマホ、予定共有から医療情報まとめで受診効率化も

SNS時代を映すように、まず目立ったのはスマートフォンなどIT(情報技術)の活用だ。「スケジュール共有アプリの活用」を挙げたのは、小学1年生、5歳、1歳の3人の子どもを育てる40代の男性だ。共働き家庭の友人に教えてもらったのを機に、この方法で家事や子どものイベントへの対応を漏らさないように努めているという。「夫婦でオンオフや子供の学校・保育園の行事、その日の特別な持ち物や注意することなど、ありとあらゆることをスケジュール共有アプリに入力している」

一方、「口頭で家族に伝えた内容も、すべてLINEで送り直す」と対話アプリ「LINE(ライン)」を活用するのは、6歳の子どもを育てる30代の女性。その効用として「『言った』『言っていない』の押し問答が減ったこと」を挙げる。

スケジュールの共有から、家族間で伝えたことの確認まで、スマホを生かす共働き家庭は多い(写真はイメージ=PIXTA)

スケジュールの共有から、家族間で伝えたことの確認まで、スマホを生かす共働き家庭は多い(写真はイメージ=PIXTA)

「時系列で追えるし、すぐに自分のせいではないと言い張る夫に対しとても有効だった」とも。彼女もかつて「カレンダーの共有」などに取り組んだ。だが、「最終的にはヒラの文(書いた通りの文章)で記録が残るLINEのトークに集約するのが一番検索性も良くシンプルに扱えた」という。

一方、4歳と1歳の2人を育てる30代の女性が挙げるのは、子どもの医療関係の情報をスマホにまとめることだ。「最近の病院はWeb予約を取り入れているところが多いので、各病院の診察券番号をスマホのメモ欄に子供ごとにまとめています」。健康保険証や子育て支援医療費受給資格証も写真として取り込んでいるという。「仕事中や帰りの電車内からでも予約できるし、コロナ禍で実施している電話診療の際も保険証番号等を確認して伝えやすく、とても便利です」

我が家のニーズに合わせて情報機器をうまく使えると確かに便利そうだ。そこから一歩進める形で、「スマホケースひとつで済む」ようにポイントカードや交通系ICカードなど最低限のものをケースに入れて持ち歩いているとのアイデアも寄せられた。「財布を忘れても大方のことができる」(小学3年生を育てる40代の女性)。この女性は経営者。スマホ本体にはアプリを入れるなどして、ある程度の仕事はこなせる設定とし、子どもの習い事の迎えなど「異様に待ち時間が長いとき」に仕事に生かしているという。

日々の暮らしのなかでは、思わぬ出来事もあるもの。中学1年生を育てる50代の女性は、職場のルールをヒントに「とにかく周りに『ほうれんそう(「報告・連絡・相談」の略)』をしておく」ことを挙げる。「どこかで助けてもらえるし、何かと動きやすい」

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