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従来モデルから機能が大幅アップ

ここひえ R4を従来モデルと比較してみると、涼しさ、風速、音の静かさ、範囲を変更できる首振り機能など、ほぼすべての面で改良されている。しかし意外なことに、オークローンマーケティングによると、ファンを動かすモーターの出力は従来モデルより低く抑えられているという。

このモーターがここひえ R4のポイントだ。ここひえ R4と従来モデルを見比べると、吹き出し口がかなり狭くなっていることに気がつく。従来モデルよりモーターの出力は抑えたが、吹き出し口を狭くしたことやファンの改良などにより、風速は逆に増しているのだ。風速が増したことで従来モデルより涼しく感じられるようになり、遠くまで冷気が届くようになった。モーターの出力を抑えたことで動作音は静かになり、省電力性能も向上。ここひえシリーズは高齢者に人気が高く、そうしたユーザーは省電力性能に敏感なのだそうだ。

前面の広い範囲にスリットは付いているが、実際に冷気が噴き出すのは写真左上に見える狭い範囲だ
従来モデルの「ここひえ R3」(左)は前面の広い範囲が吹き出し口になっていた。新モデル「ここひえ R4」の吹き出し口は、その数分の1程度に狭くなっている(写真/湯浅英夫)

モーターの出力を抑えるという思い切った変更を行った背景には、競合製品の増加がある。冷風扇を手掛けるメーカーが増え、現在、家電量販店の店頭には多くの製品が並んでいる。ここひえは冷風扇の人気シリーズだが、安穏としてはいられない。ユーザーからはもっと涼しくしてほしい、就寝時に使いやすいように動作音を静かにしてほしい、首振り機能の範囲が広すぎて使いづらいといった、さまざまな要望が毎年寄せられているという。競合製品に対抗するため、そうした要望に応えて多くの改良を施したのが本モデルだ。従来モデルより涼しさが増し、静かになり、使い勝手が向上し、省電力になった「ここひえ R4」は、2022年の夏も人気を集めそうだ。

(ライター 湯浅英夫、写真 スタジオキャスパー)

[日経クロストレンド 2022年5月20日 の記事を再構成]

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