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写真はイメージ=PIXTA

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「高度化されたスキルを持っていると、他の領域にも転用ができます。使えるスキルが多いと、それらを組み合わせて、自分特有のスキルへと昇華できます」。ビジネススキルに詳しい組織コンサルタントの堀公俊氏は新刊の「ビジネススキル強化メソッド」(日本経済新聞出版)の中で、このように話す。では、どのように身に付けるべきスキルを見つけ出したらいいのか? NIKKEIリスキリングでは、同書の第3章「自分にふさわしいスキルを見つけ出す」を連載で紹介する。

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◆スキルアップをWhyから考える

Whyを見つけ出す

多くの人は、Why を意識することなく毎日を過ごしていると思います。ところが、それが垣間見える瞬間があります。それをヒントにすれば、見つけ出すことができます。

ここでS. シネックらが開発したエクササイズを紹介しましょう(S. シネック他『FIND YOUR WHY』ディスカヴァー・トゥエンティワン)。前のエクササイズと同様、他者の力を借りるところがポイントです。使いやすくするために簡略化してありますので、詳しく知りたい方は原著をご参照ください。

【エクササイズ】 Whyを見つけ出す
① 自分のWhy を見つける話し手と、お手伝いをする聞き手(できれば2〜3人)が集まり、ホワイトボードの前に椅子を並べて座ります。両者が協力して、以下のようなWhy ステートメントをつくることを目指します
  私は「A      」することで「B     」になる
   A:私の貢献(Contribution)     B:私以外への影響(Impact)

② 話し手は、自分が最高の状態にある経験、自身を形づくっている特定の思い出や出来事を聞き手に語ってください(15 分程度)。たとえば、以下のような話です。

・心から誇りに思う、あなたが達成したこと
・世界の見方や自分の役割についての考えが変わる契機となった出来事
・人生が過去とはまったく違うものになったと自覚した重要な出来事
・自分を無にして取り組んだ後とても重要なことをした気分になった経験
・今の自分をつくり上げる手助けをした人との素晴らしい経験や思い出
・仕事において「自分なら報酬なしでもやったはず」と感じた場面
 一般論ではなく具体的なエピソードで、できれば複数語ってください。

そのときに抱いた感情(喜怒哀楽)やその経験がどんな感情をもたらしたかを語るようにしましょう。思いつくままに語り、経験を分析したり意味づけをしたりは絶対にしてはいけません。

③ その間、聞き手は、語られる話を受け止め、相手の様子や変化を観察し、もっと話すように促していきます。Yes/No で答えられる質問や「なぜ」を尋ねる質問は禁句。話が途切れても静かに待ちましょう。何が起こったかよりも、話し手がどう感じたかのほうに焦点を当てるようにします。語られる話の重要な理由がはっきりするまで質問をしてください(例:この経験はあなたにどんな変化をもたらしましたか?)

④ それと同時に、話の中で繰り返されたり、大切な役割を担ったキーワード(アイデア、言葉、表現、感情など)を「すべて」「そのまま」付箋に書きホワイトボードに貼りつけてください。これらをテーマと呼びます。

⑤ 話が終わったら、話し手は、書き出されたテーマを眺めて、重要だと思うものを探し出し、独特の貢献と感じるテーマと、影響をよく表すテーマを選んでください。聞き手はそのお手伝いをしてあげましょう(例:私には○○のように聞こえましたが……)

⑥ 話し手は、選んだテーマを元にしてWhy ステートメントを下書きして、しっくりくるまで言葉を磨き上げます。その間に聞き手は、ブラッシュアップのお手伝いをしてあげてください(例:これでしっくりきましたか?他によい言葉はありませんか?)
〈Why ステートメントの例〉
・ みんなのやる気を引き出すことで(貢献)、最高のパフォーマンスが発揮できるようにする(影響)。
・ 誰も思いつかないアイデアを発想することで(貢献)、社会的な課題を解決へと導く(影響)。

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