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主菜並みに進化したサバ缶 梅じそやキムチ味で飯進む

黒川博士の百聞は一缶にしかず(7)

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NIKKEI STYLE

サバ缶の味付けの種類が増えているのをご存じだろうか。梅シソ味にトマト味、キムチ味に加え、何とチョコレート味まで登場している。いわば"味変"したサバ缶が続々と商品化されているのだ。

従来、サバ缶と言えば水煮(塩味)、みそ煮、しょうゆ煮の3種類が定番で、現在でもサバ缶市場のシェアの中では上位を占めている。しかし、2018年のサバ缶ブーム(*)以降、サバ缶は缶詰の中でも特に注目を集めるアイテムに変わった。定番だけではなく、新しいフレーバー、テイストを加えた新商品を投入すれば、サバ缶ファンの裾野が広がり、新たな客層にもアピールできるし、消費者としても、選択肢が増えれば自分好みの味を選びやすくなる。売る側と買う側、双方の好循環が期待できるわけだ。

そこで今回は、18年以降に発売された商品を中心に、僕が個人的に注目しているサバ缶を紹介しようと思う。

宝幸(東京・品川)の「日本のさば 梅じそ風味」は、砂糖しょうゆ味をベースにして、梅シソのうま味を加えた爽やかな1缶だ。甘味、酸味、塩味のバランスが良く、脂が乗った国産サバを使っている。甘酸っぱい梅シソ味が後を引き、白ご飯との相性も抜群である。誰が食べても好ましく感じる味で(僕の友人にもこの商品のファンが多い)、食卓の主菜として申し分ない出来栄えだ。

売り上げも好調とのことで、定番の水煮、みそ煮、しょうゆ煮を除いたサバ缶市場では売り上げ1位だそうだ(20年度のデータ、同社調べ)。

子供でも食べやすいキムチの人気商品「ご飯がススムキムチ」で味付けしたサバ缶、それが信田缶詰(千葉県銚子市)の「ご飯がススムさばのキムチ煮」だ。

発酵食品であるキムチのうま味に、サバのうま味が合わさり(サバはサバ節が作れるほどうま味が濃い)、ピリ辛さも手伝って、こちらもご飯がススム。缶汁もおいしいので、汁ごと鍋物に使うのもオススメである。

キムチ味がサバの身にしっかり染み込んでいるのは、高温加熱で仕上げる缶詰の製造方法のおかげ。例えば、サバ水煮缶とキムチを合わせて食べてもおいしいのだけど、この缶詰のように味が染み込むことはないのだ。

真の激辛好きにオススメの1缶

伊藤食品(静岡市)の「あいこちゃん辛鯖味噌煮」は、真の"辛いもの好き"にだけ推薦する激辛のサバ缶。大げさではなく、本当に辛い。缶を開けた段階で唐辛子の匂いが発散し、鼻腔を駆け上がって脳髄を刺激する。缶汁も唐辛子色に染まっており、試食する際も、ちょっと度胸がいる。

最初のひと口では甘さを感じるが、その直後に来る辛さで舌がしびれる。ふた口目以降はだんだん苦みを感じるようになり、いつしか頭がぼーっとしてくる。こうして思い出すだけでも汗が出てくるほどだ(本当です)。ただし、辛さはすっきりと澄んでいる。良質の国産唐辛子を使っているおかげである。

イワシの腹に明太子(めんたいこ)を詰めた「いわし明太」という福岡名物があるが、そのサバ缶バージョンとも言えるのが、ふくや(福岡市)の「明太王鯖(めんたいおうさば)」。ノルウェー産のサバに、同社特製の明太子とピリ辛の漬け込み液を加え、オリーブオイルでしっとりと仕上げている。

ノルウェー産のサバは、国産ものに比べて脂が倍近く乗っている。だからジューシーなのだが、明太王鯖の場合はあえてサバの身を一度蒸し、浮いてきた余分な脂を落としクリアな風味にしている。ふくやの明太子はすっきりとした辛さが魅力だが、その魅力を製法にきちんと生かしている。

究極の進化形は前代未聞の味

究極の味変サバ缶とも言えるのが、岩手缶詰(岩手県釜石市)の「鯖チョコ」だろう。"チョコ"とは本物のチョコレートを指しており、チョコレートソースで味付けしたサバ缶ということになる。

世界には様々な味付けのサバ缶があるが、僕の知る限り、これまでチョコレート味のサバ缶は見たことがない。ただし、チョコレートを使った料理は知っている。メキシコの「モレ」と呼ばれる、チョコレートと香辛料をすり潰したソースを掛けた料理である。チョコレートの原料、カカオがコクとして作用していて、甘さもあるが、同時に苦み、塩味などもあって、非常に複雑で濃厚な味だった。

で、結論から申せば、鯖チョコは素晴らしくウマい。使われている基本的な調味料は清酒、みりん、しょうゆで、それだけならサバのしょうゆ煮だが、その上でチョコレート、砂糖、バターなどのソースが加わっている。

例えて申せば、煮込み料理やカレーにコクが欲しい時、隠し味として板チョコを加えるテクニックがある。それと同種の味で、チョコレートの甘さと香りは確かにあるが、それはモレと同じく、味を深めるためのコクとして作用している。

さて、この究極の味変サバ缶はどうやって食べればいいのか? 僕としては、写真にあるようにメインの一品料理としてぜひ味わってもらいたい。あらかじめ缶ごと湯せんし、温まった中身を平皿に盛りつけ、ナイフとフォークで食べる。他にサラダやスープなどがあれば、きちんとしたコース料理になるはずだ。

ちなみに、味変サバ缶で最初にヒット商品となったのは、13年に発売された岩手缶詰の「サヴァ缶」だ。塩味をベースにし、オリーブオイル漬けになった同商品は、それまで和テイストばかりだったサバ缶の概念をすっかり変えた。オリーブオイル漬けにしたことで洋食とも合わせやすくなり、パスタやピザの具にも使われるようになった。

様々な工夫を凝らした味変サバ缶は、夕食のメインになりうるクオリティーを持っている。共働き世帯が増え、家事労働時間が減っていく中、調理時間を少しでも短くしたい世帯には力強い味方なのである。

(缶詰博士 黒川勇人)

黒川勇人
1966年福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチ。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。

*サバ缶ブーム

17年に売上高でツナ缶を抜き、サバ缶が魚介類缶詰市場でトップを獲得。18年にはメディアやSNSで話題になり「サバ缶ブーム」と呼ばれるようになった。

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