試飲会を主催した酒類総合商社、マスダ(大阪市)のバイヤーで、名刺に「大使館認定・南アフリカワインスペシャリスト」とある三宅司さんは、「果実感となめらかさが南アフリカのシラーの特徴で、スタイル的には、南フランスとオーストラリアの中間」と解説。その上で「産地の気候は基本的に温暖だが、朝晩に温度が大きく下がるため、果実感もある、酸味もしっかりとしたシラーになる」と説明する。

表記は生産者任せの南アフリカ産

南アフリカでは、シラーと表記するかシラーズと表記するかは個々の生産者の判断に委ねられているという。「シラーと表記したものは『私どものワインは、どちらかというとフランスのシラーのスタイルに近いワインです』と強調したい生産者が多い。一方、シラーズは英語表記で一般に読みやすく、輸出先での売りやすさも考慮している場合が多い」と三宅さん。

ソフトな舌触りの「ジュリアンスカール・ケープサウスコースト・シラー」

試飲したシラーはすべてシラーと表記されていた。そのワケを尋ねると、「日本人の嗜好(しこう)に合うよう、酸味のしっかりした、飲んでいて飽きの来ないエレガントなスタイルのものを選んで輸入しているので、結果的にシラーと表記したものが多くなる」とのことだった。

その中で特に印象に残った1本は「ジュリアンスカール・ケープサウスコースト・シラー」(2750円)。非常にソフトな舌触りでフルーティー。品種の特徴であるコショウのニュアンスも感じられる。

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ブドウにストレス与えて生み出す味わい