大和証券のSDGs担う「最初から自信あるはずない」大和証券グループ本社副社長・田代桂子さん(折れないキャリア)

「今振り返っても本当に良い選択だった」。1986年、女性初の総合職として大和証券に入社した時のことだ。折しも男女雇用機会均等法の施行元年。徹底して吟味し、選んだ就職先で35年間働き続けてきた。

たしろ・けいこ 早稲田大政経学部卒、1986年大和証券入社。2019年から現職。経済同友会副代表幹事も務める。

2014年にはグループ本社初の生え抜き女性取締役に。「意志もあったが環境に恵まれた」と話す。

商社勤務の父に伴い、3~11歳まで米国で暮らした。専業主婦の母の願いは「女性も手に職を」。進学した早稲田大学では、女子学生が自ら取材・編集する就職情報誌「私たちの就職手帖」にかかわった。「この会社は女性を育て長く働かせる姿勢はあるか」。就職活動に3年かけ、唯一納得したのが大和証券だ。

入社後は、機会があるごとにやりたいことを上司に主張した。「アジアで勤務したい」とシンガポール駐在に。海外赴任をした後は「証券会社にいるからには、リテール部門で働きたい」。上司からは「経験のない田代に何ができる」とぴしゃりと返された。

だが引き下がらない。するとリテール部門のオンラインビジネスを任された。「まだ誰もやっていない分野だから、できると思われたのかも」。自他ともに認める「超楽観主義」だ。

予備知識もなく部長に。蓋を開けると知識豊富な部下が集まっていた。「私にできることは、皆が働きやすい環境を作り、能力を発揮してもらうことなんだ」。ネットを使った企画を次々に立ち上げながら、管理職の意識が根付いていった。