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ビジネスでも日常生活でも、謝罪しなければいけない場面があります。ただ、同じ失敗でも、謝罪でことを収められる人もいれば、かえって火に油を注いでしまう人もいます。その差はどこにあるのでしょうか。

「話し方」「伝え方」について書いたベストセラー書籍100冊を分析し、皆が「重要だ」と言っているポイントをまとめた新刊『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』から、担当編集者が謝罪の仕方を紹介します。

◇     ◇     ◇

謝罪が先 言い訳はあと

「話し方」「伝え方」について書いたベストセラー書籍100冊を分析したところ、多くの本が謝罪について触れていました。そこで書かれていたのは、「謝罪が先。言い訳はあと」ということです。

『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』   藤吉豊、小川真理子著 日経BP

『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』   藤吉豊、小川真理子著 日経BP

「口答えしない」

「間違えたら、素直に謝る」

「仕事で指摘を受けたら、まずは謝る」

など、謝罪をすることや言い訳しないことの重要性について触れられていました。

心理学者の内藤誼人さんは、『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)の中で、

「自分に何か問題があったときには、さっさと謝るのが『人たらし』の技術である。『ごめんなさい』の一言は、どんな相手にも有効に作用する」

と述べています。

また、古代ギリシャの哲学者アリストテレスは『弁論術』(岩波書店)の中で、

「口答えしたり、罪を否定したりする者に対しては、われわれは一そう厳しい懲罰を加えるが、罰せられて当然であると認めている者に対しては、怒りを収める」

と記しています。「まず、自分の非を認める」と相手の怒りを助長させずに済みます。

どれだけ年齢を重ねようと、どれだけ成功を収めようと、人は失敗したり、間違いをおかしたりするものです。

失敗や間違いを起こさないように気を付けることは大切ですが、それ以上に、失敗したり、間違えたりしたあとに、どう対応するかが重要です。それによって状況が大きく変わることもあるからです。基本は、「まず謝罪する」です。

「すぐ

謝る」ことは想像以上に難しい

そもそも、人はなぜすぐに謝罪ができないのでしょうか。

会話のプロは、理由のひとつとして「頭を下げると自分の負けと思ってしまうから」を挙げていました。実際は逆です。

「頭を下げる=勝ち」

「すぐ謝る=得」

と会話のプロは指摘しています。謝罪したほうが、その後の人間関係が円滑になるからです。

作家で心理カウンセラーの五百田達成さんは、『話し方で損する人 得する人』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中で、

「仕事のトラブルの際に考えるべきは『どちらが悪いか』ではありません。『どう話せば得か』だけを考えればいいのです」

とトラブルの際の考え方について述べています。

では、どのように謝罪をすればいいのでしょうか。謝罪をするときのポイントは2つです。

〈謝罪のポイント〉
1 理由や言い訳の前にまず謝る
2 すぐに謝る

1つずつ見ていきます。

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