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働く人の意識調査を世界約60カ国で行っている「Great Place to Work Institute」 (GPTW、本部:米国)からライセンスを受け、日本における「働きがいのある会社」の調査・分析・支援を手がけるGPTWジャパン(東京・品川、登記社名は働きがいのある会社研究所)。同社が毎年発表している「働きがいのある会社ランキング」を目にしたことがある人も多いだろう。

代表の荒川陽子氏(41)は現在4歳の子どもを持つママ社長。日本では、産休・育休から復帰した女性が昇進や出世のコースから外れてしまう「マミートラック」や、女性が管理職を目指す意欲を持ちにくい社会構造が問題となっているが、同氏は出産後に自ら手を挙げ、代表の座に就いたという。そのキャリア観はどんな経験から生まれたのか。

目の前に120%の力を注げば道は開ける

世の中には「働きたい会社」「年収が高い会社」「ホワイト企業」などさまざまな企業ランキングが存在するが、GPTWジャパンが毎年発表している「働きがいのある会社ランキング」の最大の特徴は、グローバルな評価基準を用いている点だ。代表の荒川氏は「調査項目・評価基準は世界約60カ国で共通。グローバルスタンダードに照らし合わせて、日本企業全体はどうなのか、自分の会社や気になる会社がどういう位置付けなのかがわかります」と胸を張る。

同社は、企業の採用・人材育成や組織開発に関するコンサルティングサービスを提供するリクルートマネジメントソリューションズ(リクルートMS、東京・品川)の子会社。荒川氏はリクルートMSの前身となる会社に2003年に入社後、一貫して営業畑を歩み、12年から管理職として営業チームをマネジメント。17年に出産後、約半年で仕事に復帰し、19年には自らの希望でGPTWに出向。翌年、39歳で代表に就いた。男性でも30代のトップ就任は珍しいが、当人はこう話す。

「最初から社長を目指してきたわけではありません。私は高い目標を定め、そこに向けて逆算方式で計画を立てて頑張るというより、目の前の仕事に120%の力を注げば、自然と道は開けると考えるタイプです。でも、今思い返せば、小さなパスタ屋を経営する両親を見て育ったことが、私のキャリア観のベースにあるかもしれません」

荒川氏が生まれた頃に開業したという両親の店は、音楽・演劇などサブカルチャーの聖地として名高い東京・下北沢にあった。若い頃、父親は劇団青年座に所属する役者で「同期で唯一有名になったのは西田敏行さん。本人は全然売れなかった」という。役者に見切りをつけた後、六本木のイタリアンレストランでのアルバイト経験を活かし、自分の店を持った。

「私が小学生だった1980年代はちょうど日本がバブル景気に突入する時期で、店も繁盛していました。盆暮れ正月はお店を完全に休みにして家族でいろんなところに旅行に行ったり、店のスタッフの人たちと一緒に私も海やスキーに連れて行ってもらったりした思い出があります」

GPTWジャパン代表 荒川陽子氏

GPTWジャパン代表 荒川陽子氏

「バブルが崩壊してからは苦しい時期もあったようで、子どもながらに事業を経営する大変さを感じていました。ただ、苦労は多くても、従業員一人ひとりの人生も含めて全てを自分の肩に乗っけてやっていく『経営者』って格好いいなあと。そういう漠然とした憧れはありました」

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