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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。新型コロナウイルスの新規感染者が大きく増え始めた1月半ばから、それまでかなり回復していた人出はパタリと止まった。ビジネス書の新刊への反応もそこを境に大きく鈍ったという。そんな中、書店員が注目したのは、インターネット論壇などで活躍する作家・ジャーナリストが自身の情報術を開陳したスキル本だった。

ネットやSNSをどう使いこなすか

その本は佐々木俊尚『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』(東洋経済新報社)。佐々木氏は『電子書籍の衝撃』『時間とテクノロジー』などの著書がある作家・ジャーナリスト。得意分野はテクノロジーやメディアだが、政治、経済、社会。ライフスタイルに至るまでさまざまなジャンルで執筆を続け、ブログやツイッターでの発信も数多い。

そんな佐々木氏は「あの信じられないぐらい幅広い分野の情報を、どうやって集めているんですか」とよく聞かれるという。そこで自身が実践している「読む力」の最新ノウハウを、すべて1冊にまとめて多くの読者に体得してもらえれば、というのが本書執筆の最初の動機だ。

もう一つの動機は「集中できない」という悩み相談をよく受けることだ。しかし、集中できないのはスマホ時代の現代病で、著者自身もそうだ。これを逆手にとって集中できなくても可能なインプット・アウトプット術を実践しており、これを完全公開しようと本書を書いた。

情報のインプット・アウトプット術の本は数々出ているが、本書の最大の特徴はネットやSNS(交流サイト)からの情報取得法に多くのページを割いていることだろう。第2章は、〈ネットは「何を」見ればいいのか〉と題して、RSSリーダーというアプリを使って良質なメディアの記事見出しをまとめてチェックする方法を解説している。RSS自体は既に廃れた技術とも言われるが、「フラット公平で、偏りのない」情報収集が可能なことが著者が使い続けている理由だという。

入り口すぐのメインの平台に6列積み上げて展示する(八重洲ブックセンター本店)

入り口すぐのメインの平台に6列積み上げて展示する(八重洲ブックセンター本店)

第3章は〈SNSをどう使いこなすか〉。こちらではツイッターを情報ツールとして熱烈におすすめしている。炎上などがあって人間関係のSNSととらえると致命的だが、いい情報を拾い集めるのには役に立つ。自身で考案した5段階のツイッター追跡メソッドに沿って信頼できる専門家リストをつくる方法などは玉石混交のツイートの海を泳ぐのに極めて有効だろう。

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