コスパも魅力 幅広い世代に人気の一足
東京都目黒区の中目黒駅近くにある「Coper(コペル)」の店長、張ケ谷鉄平氏にも話を聞いた。紹介してくれたのは、毎シーズン豊富なバリエーションを展開する日本のシューズブランド、SUICOKE(スイコック)の一足だ。近年は日本だけでなく、アジアでも人気を集めているブランドだという。
「僕自身もサンダルはよく履きますが、自分の足の指の形が嫌で、本当はあまり見せたくありません。同じような悩みを持つお客様は意外と多いですね。特に平日を革靴で過ごしている方などは、足の肌を見せることに抵抗を感じやすいのではないでしょうか」

サンダルは履きたいけれど、肌の露出は極力避けたい。張ケ谷氏は、「そんな人にこそ、指先があまり露出しないグルカサンダルはピッタリ」と話す。
「テバやチャコといったアクティブなイメージが強い海外のサンダルブランドと違い、スイコックはデザイン性が高く、タウンユースに合うモデルが多いのが特徴です。今回のSHACOというモデルも余計な装飾がないデザインで、しかも単色なのでコーディネートに取り入れやすいですね。スマートな印象のナイロン素材のベルトは、レザー素材だと少し色気が出過ぎると感じる方にぜひ試してほしいです」


ビブラムソールを使いながら1万円を切るコストパフォーマンスも魅力だろう。店頭でも、学生から50代まで幅広い層から人気があるそうだ。今年の夏におすすめのコーディネートを教えてもらった。
「今季はリネン素材などの天然素材のカットソーやパンツのハズシとして、化学繊維を使ったSHACOを合わせるのがカッコいいと思います。サンダルは素足で履くのもいいですが、カラーや柄のソックスで遊びをきかせると、よりしゃれて見えますよ」

ブーツブランドの本格サンダル 同業者も太鼓判の高品質
「ストラップで甲を固定するタイプのサンダルは、アウトドアやストリートの要素がやや強くなります。きれいなスタイリングに合わせるのであれば、素材はレザーなど上品に見えるものを選びたいですね。さらに言えば、肌の露出が少ないデザインの方が大人っぽく履けると思います」
そう話すのは東京都台東区の蔵前にある「WEEKENDER SHOP(ウィークエンダーショップ)」オーナーの芹澤伸介氏だ。東京・浅草発のブランド、TOKYO SANDAL(東京サンダル)の足袋をモチーフにした一足を紹介してくれた。取り扱いを始めたのは昨年だが、このブランドを目当てに来店する人も多いという。

「浅草は熟練の靴職人が多いエリアで、私の友人にも何人かいます。セレクトを検討していたとき、TOKYO SANDALはクオリティーが非常に高いと彼らに後押しされました。靴職人の評価が高いブランドなら間違いないと思いましたね」
ブーツ作りのプロ集団が作るサンダルブランド。その生産背景にも心をくすぐられると芹澤氏は話す。
「実際に見ると、非常にタフな印象の一足です。ブーツに見られるような丈夫な糸を使った力強いステッチワークは、見た目のアクセントとしてもきいていますね。日本人の足に合うよう考え抜かれた形状なので、長時間履いても痛くなりにくく、疲れません」


足袋をベースにしたデザインは見慣れないため、好みは分かれるかもしれない。ただ、そのフォルム自体はプレーンな革靴と形状が近く、合わせる服の幅は広いそうだ。
「個人的にはチノパンと合わせるのがおすすめです。トップスはカットソーよりも、襟付きのシャツを選んで上品にまとめたいですね。パンツの裾はワンクッションするくらいにすると、足袋のデザインを主張しすぎず合わせやすいと思いますよ」

文:FACY編集部 平野美紀子(https://facy.jp/)
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