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答えと解説

正解(間違っているもの)は、(4)男性ホルモンのテストステロンの分泌が多いと、前立腺が肥大してくるです。

前立腺が男性にしかない臓器だということは、多くの人が知っているでしょう。ただ、「前立腺はどんな臓器?」と聞かれたとき、答えられる人はそう多くはないかもしれません。

前立腺は男性にのみある臓器。膀胱の下に位置し、くるみほどの大きさだ(写真はイメージ=123RF)

前立腺は、生殖器の一部です。同じ生殖器でも陰茎や睾丸(精巣)は目で見たり、手で触れたりすることができますが、前立腺は下腹部の奥、膀胱(ぼうこう)のすぐ下にあるため、外から見たり触れたりすることはできません。膀胱から陰茎に向かって伸びる尿道の根元の部分を取り囲んでいて、くるみや栗の実程度の大きさとよくいわれます。具体的には、健康な成人男性の前立腺の体積は20mL程度です。

前立腺には、精液の一部となる「前立腺液」を分泌するという働きがあります。前立腺液にはたんぱく質分解酵素が含まれていて、精子のまわりのたんぱく質を溶かすことで、精子を活性化させます。また、女性の生殖器内に送り込まれると、精子を守る働きもします。

男性にしかない前立腺

(原図=123RF)

前立腺は、40~50代から肥大してきます。なぜ、肥大してくるのか、その原因は明らかになっていませんが、加齢以外にはホルモンバランスの変化が影響しているといわれています。

男性ホルモンのテストステロンの分泌量は、20代をピークに徐々に減少していきます。すると、相対的に女性ホルモンが増加して性ホルモンのバランスが崩れることで、前立腺肥大を誘因すると考えられています。通常は20mL程度の体積が、30mL、50mLと大きくなり、人によっては100~200mL程度に肥大することもあります。

前立腺が肥大してくると、前立腺を貫くように通っている尿道が圧迫されて、ホースを押しつぶしたときのように内径が細くなることで、さまざまな排尿障害が起こってきます。この前立腺肥大によって症状が表れる状態が「前立腺肥大症」です。

前立腺肥大によって起こってくる症状には、頻尿や、急に我慢できないような強い尿意が起こる「尿意切迫感」のほか、尿の切れが悪くなったり、排尿後に下着をつけた後に尿が漏れる「排尿後尿滴下」などがあります。

前立腺肥大症を疑う症状がある場合はきちんと泌尿器科を受診することが大切です。

この記事は、「男性の尿トラブルに深く関わる『前立腺』の実像に迫る」https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/21/092800006/113000004/ (近藤幸尋=日本医科大学付属病院泌尿器科部長)を基に作成しました。

[日経Gooday2022年4月18日付記事を再構成]

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