在宅勤務がつらいのは中高年? 問われる「会社人間」

リモートワークで上司と部下の接し方は大きく変わった(写真はイメージ)=PIXTA
リモートワークで上司と部下の接し方は大きく変わった(写真はイメージ)=PIXTA

新型コロナウイルス感染の影響で、オンラインツールを活用した在宅勤務に移行した企業は多い。通勤が不要になり余暇の時間が増えたという「在宅満足派」のビジネスパーソンが登場する一方、逆にストレスが増したという人も少なくないようだ。コロナ下でのストレスの状況やその対処法について、約30社の産業医を務めるなど働く人のメンタル不調に詳しい大室正志医師に聞いた。

チャット恐怖症の若手社員が増加

リモートワークで運動や趣味の時間が増えたと喜ぶ人は多く、余暇の時間を副業や兼業、ボランティア活動に充てる社員もいる。ある30代のITエンジニアのように「コロナ禍が一段落しても、もう都心のオフィスに通勤したくない。毎日出社がマストになるなら他社に転職する」という人すら出てきた。

約30の企業で産業医を務める大室医師によると、コロナ下でうつ病など精神的な疾患を発症する従業員が特に増えているとは感じていないという。ただ、「従来は職場のストレスで抑うつ状態に陥っていた社員が在宅勤務で改善された半面、これまで職場でうまくやってきた社員がメンタル面で調子を崩すケースが増えてきた」と明かす。

背景について、大室医師は「コロナ下で上司からの古典的なパワーハラスメントは減った。しかしチャットで矢のような催促が次々と来るため、『チャット恐怖症』に陥る若手社員が少なくない」と説明する。リモートワークが増えて上司と部下の接し方が大きく変わり、面と向かって高圧的な姿勢で命令されるケースは減ったが、チャットやメールで次々と指示が飛んでくる場面が増えたとしている。

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