
夏を迎えて再び新型コロナウイルスの感染者数が増加し、先が読めない状況だ。しかし東京都内では新しい飲食店が続々オープンし、アフターコロナの世界を歩み始めている。その一つ、7月1日に開業したばかりの「浅草横丁」(東京・台東)を紹介する。繁華街の「浅草六区」にできた“ネオ横丁”だ。
演芸場の「東洋館」の斜め向かい、「東京楽天地浅草ビル」の4階に入っている。エレベーターのドアが開くと、わっと鮮やかなピンクやブルー、オレンジの看板に迎えられてびっくり! 縁日に迷い込んだようだ。
「浅草横丁」(運営はHi-STAND、東京・品川)は、「日本のハレ文化を体験しながら食事が楽しめるエンタメ酒場、365日がお祭り横丁」がコンセプト。4階の1フロア一帯を占め、飲食店7店と着物レンタル店1店が入る。色とりどりの装飾のなか、盆踊りの一団や、手品を披露する大道芸人がいて目が右往左往してしまいそう。さあ、飲食店全店を一気にめぐってみよう。

最初は奥にある「浅草すし」。中央通路に向かってオープンカウンターが張り出しており、「なるべく、美味しく、美味しく、美味しく」とネオンが光る。カウンターには魚やすしにまつわるおもちゃやマンガ、絵本がぎっしり並んでいて斬新だ。
「うちは“つまんで飲めるすし居酒屋”です。お酒に合う握りずしが3貫329円から、太巻きの『あて巻き』は494円からありますよ」と店のスタッフが説明してくれた。名物の「エビカニ合戦」(989円)と、栃木県産の日本酒「仙禽(せんきん)」を頼んだ。生日本酒サーバーがあり、この仙禽を含め、蔵元から無ろ過で樽(たる)詰めした銘酒をそのまま飲めるのも売りだそうだ。
カニの甲羅に入ったイクラやエビ、カニのたたきとウズラの黄身を、下の酢飯だけの細巻きに、どろりとかけながら食べる。冷えた辛口の酒との相性も最高だ。オープンカウンターに横丁内のおはやしが聞こえてきて、縁日の中ですしを食べている気分に。

隣の「ユラユラ」へ移動。シンプルな焼き鳥や唐揚げ、博多水炊きをつまみにハイボールやサワーを楽しめる店だ。20~30代の女性たちが焼き鳥にかぶりつく姿を見ながら、「とりかわ串」と「ユラユラサワー」(生搾りレモンサワー)をオーダー。
焼き鳥にはシラチャーソースをかけるよう勧められた。甘辛い味付けの「とりかわ串」と、少し酸味のある辛いソースがなかなかの相性。さっぱりしたレモンサワーも、永遠に飲み続けてしまいそう。