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ワイン界に台頭する「ナチュール・ネーティブ」って?

エンジョイ・ワイン(56)

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NIKKEI STYLE

ワイン市場で「ナチュール・ネーティブ」と呼ばれる新たな飲み手の層に今、注目が集まる。20代から30代と比較的ワイン歴が浅く、ワインにはまったきっかけが「ナチュラルワイン」という人たちだ。ナチュール・ネーティブの台頭に呼応するかのように、ナチュラルワインを売りにするレストランやワインショップ、ワイナリーも増えており、消費が伸び悩んでいるワイン市場の起爆剤となる可能性も出てきた。

ナチュラルワインとは一般に、農薬や化学肥料に頼らずに育てたブドウを、市販の培養酵母ではなく醸造所内やブドウの皮に存在する天然酵母で発酵させ、酸化防止剤を添加せず、無ろ過で瓶詰めした、いわば昔ながらのワイン。口当たりのよいジューシーな味わいや染み入るような喉越しが特徴で、今世紀に入り世界的に人気が高まっている。

一方、ナチュール・ネーティブは、フランス語でナチュラルワインを意味する「ヴァン・ナチュール」と、子どものころからインターネットやパソコンに囲まれて育ったデジタル世代を意味する「デジタルネーティブ」を掛け合わせた造語。この造語を考案したイタリア産ナチュラルワイン専門店「エッセンティア」(東京・目黒)のオーナー、ユキトさんは「最近は若いお客さんの来店が増えており、20代も目立つ。彼らと話をすると、ワインにはまったきっかけがナチュラルワインという人が結構多い」と指摘する。

東京都目黒区に住む会社員の真奈美さん(22)も、そんなナチュール・ネーティブの1人。食べ歩きが趣味で、週末を中心に週2回ほど、友人と、あるいは1人で、カジュアルなレストランやバーでワインを楽しむ。「店ではナチュラルワインを頼むことが多い」と話す。

なぜナチュラルワインなのか聞くと、「ワインの香りと味わいに酔いしれながら、ゆっくり時間を過ごす楽しみ方を最初に教えてくれたのがナチュラルワインだったから」と、ベテランのワイン愛好家のような答え。しかし同時に、「インスタグラムでナチュラルワインと料理の投稿を見かけることも多い。フォローしているインスタグラマーのナチュラルワインの投稿を見ると、つい興味がわいて店に足を運んでしまう」と、最近の若者らしい理由も挙げた。真奈美さんは、友人らと店に行き、飛び切りおいしいナチュラルワインと出合った時は、若者言葉で「最高」を意味する「優勝」と声を上げるそうだ。

会社員の荒井啓さん(31)がナチュラルワインと出合ったのは、社会人になって間もない約7年前。たまたま入った都心の立ち飲みバーがナチュラルワイン専門のバーだった。「うま味を感じる味わい、柔らかな口当たり、ゴクゴク飲めてしまう感覚など、それまでに飲んだワインとはまったく違う印象に衝撃を受けて」、以来、その店に通うようになった。それがナチュラルワインと知ったのは、しばらくしてからという。

ナチュラルワイン好きが高じ、荒井さんは約1年前、フェイスブック上に「ナチュラルワイン/自然派ワイン」というグループを立ち上げた。メンバーは1700人を超え、時折、オフ会も開いている。

ナチュラルワインは従来のワインと比べて風味が大きく異なるものも多いため、従来のワインを飲み慣れている人の中には、苦手という人もいる。この点、ワイン歴の浅い若い世代は、ナチュラルワインの独特の風味を比較的すんなりと受け入れやすいようだ。

増えるナチュラルワインのショップやレストラン

ナチュール・ネーティブ世代の台頭で、ナチュラルワインを売りにするワインショップやレストランも増えている。

ナチュラルワインを豊富にそろえるワインショップ「ウィルトスワイン」(東京・渋谷)は今年3月、若者でにぎわう東京の東急電鉄・自由が丘駅近くに2号店を開いた。高価なブルゴーニュワインも置いているが、店員によると、圧倒的に売れ行きがよいのは1本3000円台のナチュラルワイン。30代ぐらいの比較的若い層の購入が目立つという。

真奈美さんが時々、顔を出すというイタリアンレストラン「アズリーノ」(東京・目黒)は、今年2月のオープン。シェフの対馬毅行さんは「特にナチュラルワインにこだわっているわけではないが、ナチュラルワインを好むお客さんが多いので、ワインリストにも多く載せるようにしている」と話す。鶏ガラや牛骨などからとった自家製だしを使った料理や手打ちパスタと、うまみを感じるナチュラルワインとの相性はぴったりだ。

4年前にオープンし、料理のおいしい店として雑誌にも紹介されるカジュアルなフレンチレストラン「小泉料理店」(東京・渋谷)は、店内のセラーにある約300種類のワインすべてがナチュラルワイン。オーナーシェフの小泉洋さんは「だしを使うなどして和食のニュアンスを出した料理が、ナチュラルワインの優しい味わいと合う」とナチュラルワインにこだわる理由を明かす。

店で飲んだナチュラルワインをきっかけに、ナチュラルワイン派にくら替えする愛好家も少なくないようだ。小泉さんは「初めてというお客さんには好みを聞いて、あまりクセのないナチュラルワインを選ぶようにしている。その結果、ちょっと苦手という人もいるが、おいしいと言ってどんどんはまっていくリピーターのお客さんもいる」と話す。

ワイナリーも国内に次々誕生

ナチュラルワインはほとんどが輸入ワインだが、ナチュラルワインに特化した国内のワイナリーも次々と誕生している。2年前にファーストヴィンテージを発売した高松市のカマノヴィンヤードもその1つ。ブドウは有機栽培で、醸造は天然酵母使用、亜硫酸無添加、無ろ過。日本固有品種のマスカット・ベーリーAやデラウェアなどを混ぜて造った「クサワミ2021 カカシクラレ」は、ジューシーでほどよい揮発酸の香りのする、ナチュラルワインらしい1本だ。

ナチュール・ネーティブは、実は日本だけの現象ではない。英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は「この10年の間に、パリのバーやレストランではナチュラルワインが準主流となり、新しい世代の飲み手の興味を引いている」と書いている。米紙ニューヨーク・タイムズは、環境問題や健康問題への意識の高いミレニアム世代を中心とする若い世代の間でナチュラルワインの人気が高いと指摘し、ナチュラルワインがワイン市場の縮小傾向に歯止めをかける鍵となる可能性を示唆した。

米国同様、日本国内のワイン消費量も、飲み手の高齢化や若年人口の減少などを背景に2010年代半ばから完全に頭打ちになっている。ナチュール・ネーティブの台頭やナチュラルワインの人気の高まりが、ワイン市場に再び活気を呼び戻し、けん引役となるのか注目だ。

(ライター 猪瀬聖)

※「エンジョイ・ワイン」は今回で終了します

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