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自社のロゴ入りの資料を投影して、同業他社の人に研修をするとは何とも大胆です(写真はイメージ)=PIXTA

自社のロゴ入りの資料を投影して、同業他社の人に研修をするとは何とも大胆です(写真はイメージ)=PIXTA

日経クロステック
キャリアアップや人間関係構築、給与などの待遇面、転職や起業――。技術者の多くは、自分の働き方について様々な悩みや不安を抱えています。人事コンサルタントとして様々な企業の職場活性化を支援する天笠淳さんが、こうした不安を解消し、働く楽しみを見いだすための具体的な方法を紹介します。

「副業」という言葉を耳にする機会が増えています。日本経済団体連合会(経団連)が2022年10月11日に公表した「副業・兼業に関するアンケート調査結果」によると、回答企業の約7割が、社員の社外での副業・兼業を「認めている」(53.1%)、「認める予定」(17.5%)と回答しました。

自社の社員が社外で副業・兼業することを認めている企業は約7割(出所:日本経済団体連合会が2022年10月11日に公表した「副業・兼業に関するアンケ―ト調査結果」)

自社の社員が社外で副業・兼業することを認めている企業は約7割(出所:日本経済団体連合会が2022年10月11日に公表した「副業・兼業に関するアンケ―ト調査結果」)

この数字は、筆者の感覚では多いなという印象です。主に企業の社員研修を手掛けている筆者には70社ほどのクライアントがあり、製造業の比率が高いのですが、ほとんどが副業を認めていません。

製造業と比較してIT業界は副業を認めているケースが多いようですが、「副業制度を導入してこんな良い効果があった」という話もあまり聞きません。もちろんうまくいっていて公表していない企業もあるでしょうが、筆者の耳には副業の難しさを感じさせる話が届いています。

自社のロゴ入り資料で研修を実施

年始早々、「何かいい副業ないですか?」というメールが来て、学生時代の後輩に会いました。ひとしきり副業に関する話をしていたところ、ある知人の話題になりました。「あいつ、副業がばれて会社を辞めさせられたんですよ」と言うのです。聞けば、会社の規定で認められていないのに副業をした、しかも会社の資料を使って同業界の人に対する研修を週末に実施していたそうです。

副業を認めていても、同業他社で働くことは禁じている会社はあります。しかもその知人は、自社の資料をフル活用していたとのこと。自社のロゴ入りの資料を投影して、同業他社の人に研修をするとは何とも大胆です。

副業禁止だけでなく、著作権侵害や情報管理規定違反など、様々なルールを飛び越えてしまっています。当人は懲戒規定に基づいてそれなりの処罰を受けたそうです。

しかし本人は「副業・兼業は国も推進していたし、何をしても個人の自由だろう」と不服そうだったとのこと。このように副業に対する理解が不十分な人は、決して少なくありません。

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