データ活用から高速のPDCA
著者はスポーツビジネスに携わる前、スマホのゲームアプリ開発や運営を手がけていた。そこで培ったデータ活用からPDCA(計画、実行、評価、改善)を高速で回すプロセスがリアルビジネスに応用されて、具体的な成果を上げていく流れが読み手をワクワクさせる。ゲームでできてスポーツビジネスでもできたこの手法の勘所はどこなのか、注意深く読んでみるといいだろう。
「ファンづくりマーケティングは注目されている分野で、2階のビジネス書売り場でよく売れていた」と同書店でビジネス書を担当する川原敏治さんは話す。プロスポーツクラブの中でも事業規模はプロ野球の10分の1、サッカーJリーグの5分の1とも言われるプロバスケットボールでの成功物語は、スタートアップや中小企業、地域ビジネスなどいろいろなビジネスをスケールする際のヒントにもなりそうだ。
売れ行き落ちない『ずるい仕事術』
それでは先週のランキングを見ていこう。
(1)成長企業が選ぶ最強のデジタル変革ツール「Zoho」 | 船井総合研究所著(クロスメディア・パブリッシング) |
(2)「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた | ハック大学 ぺそ著(アスコム) |
(3)世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた | 中野信子著(アスコム) |
(4)ファンをつくる力 | 藤掛直人著(日経BP) |
(5)佐久間宣行のずるい仕事術 | 佐久間宣行著(ダイヤモンド社) |
(八重洲ブックセンター本店、2022年5月15~21日)
1位はデジタルツール「Zoho」の使い方やこれを使ってのDX(デジタルトランスフォーメーション)の進め方を解説した本。2位と3位は「1冊にまとめてみた」シリーズとも呼べる本で、2位は説明の仕方、3位は頭のいい人の習慣を指南する。4位が今回紹介したファンづくりマーケティングの本だ。元テレビ東京プロデューサーが自身の仕事術を明かした本が5位。刊行から2カ月近くたつが、売れゆきは衰えず息長い売れ筋になっていきそうだ。
(水柿武志)