Z世代の中でも意識の違い
図表3は「今後、SDGsを意識した行動に取り組みたいと思うか」という質問への回答のうち、「学生」全体と、さらにその中の「コロナ禍以降入学者」による回答の内訳をそれぞれ円グラフにしたものだ。

この質問に対してY世代以上は69.9%が肯定的な回答(「そう思う」と「まあそう思う」の合計)をしたところ、Z世代の中でも学生は74.1%とさらに高い回答率を示した。さらにその中でも「コロナ禍以降入学者」に絞ると、78.4%と8割に迫る高さだった。一方、「コロナ禍以前入学者」は64.6%と14ポイント近く低かった。
教育現場では、2020年度から小学校で、続いて中学校、高校と実施される新学習指導要領で、SDGsの担い手を教育の現場から育てることが明記された。ここ数年、授業でSDGsを取り上げる学校が拡大しており、それが18、19歳のSDGsを意識した行動に取り組みたいという比率を高めていると推測できる。
競争意識低く「まったり」

「働き方の概念に対する関心」をスコア化して示したのが図表4だ。
新しい働き方として、「週休3日制」「副業、パラレルワーク」「転勤のない働き方」「女性管理職3割目標」「ワーケーション」「45歳定年制」の6項目を挙げ、Z世代とY世代以上の回答を比較した。すべての項目でZ世代の方が関心が高いが、その中で最も高いのが「週休3日制」だ。「転勤のない働き方」はY世代以上の関心も高く、両者の差が最も少ない。一方で、「45歳定年制」はY世代以上の関心が最も低く、Z世代との差が最も大きい。

図表5はZ世代に対して「働きたい職場」について聞いた回答をまとめたものだ。全体では23項目を挙げて聞いているが、その中から上位10項目を抽出した。結果は1位「職場の雰囲気が良い」、2位「年収が良い」、3位「福利厚生などの給与面を除いた待遇の良さ」と「将来性がある」、5位が「雇用の安定と安心」だった。
Z世代は少子化と高止まりしている有効求人倍率の中で「ダイヤモンドの卵」ともいわれており、就職に対する不安も少ないため、自分本位で競争意識も低い「まったり」した環境にいるともいえる。仕事のしやすさや、給与以外の待遇の良さが上位に来ているのは、そうした状況を反映している。