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東京大学を受験ヒエラルキーの頂点とする考え方が変わりつつある。東大よりも米ハーバード大学など海外有名大学への進学を目指す高校生が増えている。グローバルな舞台で活躍する人材になるためには欧米の名門大で学び、人脈を形成することが圧倒的に有利だ。国内進学校の勢力図も変わるかもしれない。

英名門のハロウ校が日本進出

「今夏に英国の名門パブリックスクールのハロウ校が日本に進出してきます。新たな脅威になるかもしれませんね」。

開成中学・高校の野水勉校長は英語担当教員の言葉に耳を傾けた。8月にも岩手県八幡平市の安比高原に開校するのは全寮制の「ハロウインターナショナルスクール安比」。対象は小学6年生から高校3年生で、将来は900人規模の国内最大級のボーディングスクール(寄宿制学校)になる予定だ。

1572年創立のハロウ校はチャーチル元英首相の出身校として知られ、イートン校と並ぶ英国の伝統的な中等教育機関。優秀な生徒は英国のオックスフォード大学やケンブリッジ大学など欧米有名大に進学する名門校だ

一方、開成は東大合格で40年連続トップを走る全国トップクラスの進学校。直接の競合関係はないように見えるが、なぜハロウ校が脅威になるのか。「うちも欧米のトップスクールを目指す生徒が増えてきたからですよ」と野水校長は語る。実は開成には今年、ケンブリッジ大を志望する複数の受験生もいるのだ。

米ハーバード大を目指す高校生も増えている(写真はイメージ=PIXTA)

米ハーバード大を目指す高校生も増えている(写真はイメージ=PIXTA)

しかも開成には今、中国や韓国など外国籍の両親を持つ生徒が次第に目立つようになっている。その1人の中1生徒は「ハーバード大を目指したいので、開成を志望した」と入学動機を語る。今や中国などアジアの資産家の子弟は欧米有名大への進学を目指し、世界の中で優れた中等教育機関を選んで入学する。

もともと日本の進学校の理数系は世界トップ水準と言われる。元ハーバード大教授で、開成前校長の柳沢幸雄・北鎌倉女子学園長は「開成の生徒はハーバードの学生よりも優秀」と公言してはばからなかった。開成からハーバード大に進学した起業家の大柴行人さんは「英語になれるのに数カ月かかったが、後は全く大丈夫」と優秀な成績を修め、同大の指導教授と一緒に人工知能(AI)分野で起業したほどだ。

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