トレロンなどが入った神戸・イスズベーカリーのオリジナルセット

化学メーカーのグループ会社がなぜ、モール型ECサイトを手掛けたのか――。そのワケを「うちはパン酵母(イースト)やマーガリン、ホイップクリームなど製パンや製菓に関連した材料や冷凍機器類などを供給している会社だから」と明かすのは同社販売促進統括部EC推進室の藤原佑太室長だ。さまざまな材料や機器納入を通じ、全国各地のベーカリーなどとこれまでつながりを持っていた。昨今の新型コロナウイルス禍で人々の移動などが制限、営業時間の短縮なども余儀なくされ、販売機会が減少し苦境にたたされていたベーカリー業界を目の当たりにし、「何とか元気づけ、本当においしいパンを日本中に届けることができないか」と考えたのがきっかけ。モール型サイト構築に向けた準備は約1年前から進めてきたという。

利用者、ベーカリー双方に「助かる」仕掛け

ぱん結びに出店した店の中には、「ECサイトを自前で手掛けたいなと思っていたが、実際どうしていいかわからなかった」という経営者もいる。そんな店にもしっかりと寄り添ってきた。

「ネットで注文しても、いつ届くかわからない」といった消費者の不満に対応し、注文画面では「残り注文可能セット数」を明記し、「お届け希望日」が選べる。いつ到着するかが事前に分かれば、ユーザーはあらかじめ冷蔵庫のスペースを空け、冷凍状態のパンを受け入れる準備ができるので助かる。注文が入ると、専用ボックスに貼る送付先ラベルが自動的に作成される仕組みにもなっており、注文に対応するベーカリー側の負担軽減にも努めている。

各地の人気店のパンをネットで取り寄せれば、いつもの食卓が変化し、楽しくなる。コロナ禍が一段落した暁には、実際のお店に足を伸ばしてみるのもいいだろう。

(堀威彦)