帽子で夏の装い格上げ 質感・色で選ぶ中折れタイプファッションディレクター 清水久美子

帽子は開放感のある夏の装いを大人っぽく盛ってくれる最強小物(時谷堂百貨)

夏真っ盛り、屋外デートが盛り上がるシーズンの幕開けです。と、そんな華やかな季節、丸の内は行幸通りを根城にする女性たちがひっそりと覚悟を決めるのも、このシーズン。いったい何を覚悟するのでしょう。それは男性の夏のデート服。Tシャツ、短パン、サンダルといった夏のラフな装いでは「あら、きょうも蟬(せみ)取り?」な印象はやはり否めないのです。そんな蟬取り壮年が多出するこの時期、夏の装いはノーカウントの覚悟をする。それが恋する女心だったりするのです。




週末ですもの、開放感は欲しいですし、温暖化が加速しているこのご時世、涼しさ優先の格好は実に自然な流れというものです。ですが、女心をときめかすのはやはり精悍(せいかん)かつきりっとした大人の色気です。

「んー、ていってもさ、無理っしょ、この暑さでは」とは最近焦って筋トレを始めたダーリンのセリフ。大胸筋を鍛えるのはウエルカムでございます。けれど、成果が出るのはまだ先。その前に女性の好感度を上げる小物を仕込み、お手軽に夏の装いを格上げするのが冴(さ)えた男性の配慮というもの。

夏の「最強小物」 女心をときめかす

では何の小物がだれがちな装いに効くのでしょう。答えは帽子です。ことに中折れタイプの帽子はドレッシーな印象を与えてくれ、実に女性好み。しかも顔立ちの引き締め効果や、目元の色っぽさを演出する効果もあり。「蟬取り」とは言わせない何とも艶っぽい印象になるのです。

「えー、でも中折れ帽子ってなんかスーツと合わせるイメージだけどな」とはダーリン。確かにリネンの白スーツに合わせるのは格好いいとは思います。けれど、週末デートにはややご大層。抜け感のない装いは今時ではありません。そんなカジュアル化の流れを受け、昨今の帽子業界も変化。短パンに合わせてもバランスの良いこなれ感満点のデザインが多出しているのです。

「なるほどね、じゃ、そろえてみるか」と、フットワーク軽く丸の内に向かうダーリンのセリフ。またまた海図もなく、帽子の大海原にダイブするのは勇ましいですが、その前に女性のうっとり目線をゲットできる選びのコツもここでご紹介。

帽子は正面から見たクラウン部分のラインと顎の輪郭のバランスが似たものを選ぶと顔が引き締まる額縁効果満点。細い顔立ちの方はやや尖(とが)ったトップクラウン、顎が丸い方はラウンド系のクラウンが好相性。お店で見比べるとその違いが分かって楽しいです。

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