影響力の大きいカリフォルニア州

新法はカリフォルニア州のみならずプラスチック業界に広く変化を促すだろうと期待されている。同州の人口は米国で最も多く、1つの国だととらえるとドイツに次ぐ世界5位の経済規模を誇るため、他の州ではありえないほど大きな影響力を市場に及ぼす。

例えば自動車メーカーは、連邦政府よりも厳しいカリフォルニア州の排出ガス規制に従うことに合意している。今後はプラスチック包装などにおいても、カリフォルニア州の基準が他でも適用されるようになるだろうと専門家は予想する。

「ローカル企業であれグローバル企業であれ、カリフォルニア州やメーン州向けだけでなく国内外で変更を施すでしょう」とシーグラー氏は言う。とはいえ、新法が世界を変えるだろうという過剰な期待を抱くことに対しては注意を促す。「私の経験からすると、法で定めた目標を達成したごみ削減対策はひとつもありません。今回は達成できることを願います。成否は実行力次第でしょう」

他地域ではより厳しい規制が

プラスチックの製品、包装、ごみの規制はEUが世界で最も進んでいる。EUは発泡スチロール製の食品や飲料容器、プラスチック製のストローやマドラー、一部の生分解性プラスチックを含む10種類の使い捨てプラスチック製品を既に禁止している。さらに、あらゆるプラスチック包装を減らす規制法の改正に動いている。また、再生プラスチックの使用を推進するため、包装材や自動車、建築資材などについて再生材料の含有量の必達目標値を設定しようと検討している。

プラスチック削減対策は他の国々でも進められている。インドでは2021年秋に多岐にわたる使い捨てプラスチック製品の使用禁止が高らかに宣言され、2022年7月1日に施行された。世界で最も利用されている民生用製品のレジ袋は、アフリカ諸国を中心とする40カ国近くが禁止している。

他方、米国のプラごみ削減努力は散発的だ。レジ袋を禁止しているのは8州、発泡スチロール製の食品容器を禁止しているのは5州だけだ。プラスチック業界は10以上の州で議員に働きかけ、プラスチック製品の禁止を阻止する法律を通すのに成功してきた。

連邦議会では、使い捨てプラスチック製品を作るために生産したバージンプラスチック(新しい素材だけを使って製造したプラスチック)に課金する条項を含む法案が滞っている。この条項の目的は、プラスチックの生産コストを新品と再生品で均等にすることだ。

米国ではプラスチック製品を作る際、再生プラスチックよりバージンプラスチックを使うほうがはるかに安上がりだ。こうした経済的側面が世界中でプラごみを増やしている。一方、バイデン政権は6月、国立公園やその他の国有地で使い捨てプラスチック製品の使用を2032年までに段階的になくす計画を発表した。

カリフォルニア州はプラスチック規制で既に全米をリードしている。レジ袋は州全域で、発泡スチロールは128の市で禁止されている。2021年には、実際にリサイクルが可能でない限り、包装にリサイクルマークを付けることを禁止した。

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全員が文句なしの法律ではない