
続いては、「いかの詰め物」。
これまでは「いかしゅうまい」を出していたが、よりダイレクトにイカの味を感じてもらいたいと試行錯誤の末たどり着いたのがこちらのカタチ。
イカの中にイカのミンチを入れた、「イカめしスタイル」だ。
だしはカツオ、昆布、白しょうゆ、みりん、酒を使い、京風の味わいに仕上げている。
だしの味は繊細でやさしく、のどの奥からスーッと身体にしみ込んでいくよう。口の中でイカのミンチとだしが一体化して、こちらはまさに日本料理の味わいである。

3品目は「おでん春巻き」。
おでんの春巻き、ってどういうこと? と思うかもしれないが、実は「平ちゃんのスペシャリテ」とメニューに銘打ってるほど、自慢の1品だ。
オリーブの搾りかすを与えた千葉県産「オリヴィアポーク」のロース肉と、軟らかく炊いたおでんのダイコンを交互に並べたものを皮で巻き、香ばしくカラリと揚げている。
「本当に熱いのでやけどしないように気を付けてくださいね」と根内さん。
ハフハフしながら食べると、パリッとした歯ごたえの皮の中からうま味たっぷりな豚肉と、軟らかく炊いたダイコンがアツアツで出てくる。
「オリヴィアポーク」は人間の体温に近い36度が脂肪の融点と言われているので口溶けが良く、とてもジューシー。また塩麹(こうじ)を使っているので、ほんのり甘く、ほどよい塩気がアクセントとなり風味豊か。斬新なスタイルのおでんだ。
またお皿にも注目してほしい。新店オープンに合わせて、店のコンセプトに合うスタイリッシュな有田焼を探したそうだ。