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私が勤務するアジア開発銀行(ADB)の年次総会が9月末、フィリピン、マニラの本部で開催された。66の加盟国・地域から政府首脳、財務大臣、中央銀行総裁などが集まり、気候変動や食料問題など、アジアが抱える開発課題や解決策について話し合った。日本からも鈴木俊一財務大臣、黒田東彦日銀総裁(元ADB総裁)が出席した。

年次総会の準備や運営は私が所属する官房の主な仕事だ。対面での開催は3年ぶり。盛況に終わり、ホッとしている。

今回の総会では女性の姿が目立った。大臣レベルで構成されるADB総務会68人のうち女性は10人で、依然男性が多数を占めるが、総務の代理で演説する政府高官には女性も多く、時代の変遷を感じた。欧米の代表に女性が多いのは珍しくないが、バングラデシュやジョージアなど、途上国の女性代表が力強い演説をしていたのが印象的だった。

女性代表はジェンダーの話題に触れることが多い。カナダの女性代表はコロナ禍で女性がいかに男性より大きな影響を被ったかについて語り、アジア・太平洋でジェンダーギャップを埋めるには、同一労働同一賃金、女性の雇用促進、ジェンダーに基づく暴力などの課題に取り組む必要があると主張した。女性自身が訴えると説得力があるのか、しきりにうなずく参加者が多かったように思う。

ADBの総務や理事、そして総会に参加する政府関係者の多くは各国財務省の高官だ。経済や金融分野にはもともと女性が少ないので、女性の政府代表を増やすにも、そもそも財務省等関連省庁に候補となる女性の数が少ないのが難点である。これはADBに限らず、世界銀行や国際通貨基金(IMF)など他の国際開発金融機関にも共通する課題だ。

写真はイメージ=PIXTA

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