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くら寿司DX本部長の中林さん

くら寿司DX本部長の中林さん

回転ずしチェーン大手のくら寿司は、デジタルトランスフォーメーション(DX)対応を加速している。そのキーパーソンがパナソニック出身の中林章DX本部長(執行役員)だ。コロナ禍や物価高騰などの逆風が吹く中、くら寿司全部門を対象にしたDXを推進、新たなサービス開発と業務改善を推し進めているDX戦略に迫った。

現場のガンバリは限界、デジタルで連携へ

「まず朝の業務はデジタルワークスペースにロングインすることから始めませんか」。22年7月にくら寿司に転職してきたばかりの中林さんは、創業者の田中邦彦社長ら同社の幹部陣にこんな提案をした。

同社の店舗数は米国など海外にも店舗が広がっており、国内530店舗以上、海外を含めると600店舗を突破。社員数は約2千人で、パートを含む従業員は実に4万人に上る。組織が急拡大する中、海産物など食材の調達、加工・製造、店舗開発、商品開発、広報・販促、店舗オペレーションなど部門間、業務間、従業員間の連携を高める必要があった。

同社のバリューチェーンを定義した中林さんは、「社内の各部門の現場のガンバリで回しているけど、リアルタイムで連携するとさらに成長するはず。連携しないとあかんよね」と考え、各部門の担当者全員が朝の業務開始時にワークスペースに入り、全社共通のデータや情報を確認、共有する仕組みに改めるように提案した。

同社のワークスペースには、新店舗などのニュースのほか、各部門の課題、会社の経営理念まで盛り込まれている。以前は「壁新聞」などの社内報や張り紙での告知もあったが、紙では各部門の壁を越えられない。中林さんはデジタルで連携しようと説得。入社してわずか3カ月、10月にはワークスペース対応がスタートした。

「そやな、やってみようか!」。同社では月2回、田中社長ら幹部陣が集い、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を繰り広げるが、一度納得すると対応が早い。中林さんは「とにかくアジャイルな会社。まず始めてドンドン修正して、改善すればいいという発想でスピード経営を実践している」と驚いたという。

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