白糠酪恵舎のチーズの一部。左から時計回りにトーマ・シラヌカ、スカモルツァ・アフミカータ、ロビオーラ、サルーテ。ロビオーラは参考小売価格100gあたり500円台~700円台で、オンラインショップ「栄三郎商店」や「北海道フーディスト八重洲店」(東京都中央区)などで販売

料理人が使いたいチーズ

白糠酪恵舎のチーズは料理人に人気がある。例えばロビオーラというチーズを、料理に愛用しているのが、イタリア料理店「マジカメンテ」(東京都渋谷区)の佐藤崇行オーナーシェフ。ロビオーラは、チーズの表面に乳脂肪とタンパク質を分解する菌を植えつけ、表面を塩水で洗いながら熟成させたものという。

佐藤シェフがお店で提供しているのは、イタリア北部の「ランゲ(地方)のリゾット」。ロビオーラとヘーゼルナッツ、リンゴをリゾットに仕立てたものだ。佐藤シェフによると、ナッツの風味のあるロビオーラとヘーゼルナッツ、リンゴの相性はとてもよいと言う。

「ランゲ(地方)のリゾット」(料理提供 マジカメンテ)

自宅でかんたんにつくれるロビオーラを使った料理として、佐藤シェフは「インサラータ・ランガローラ」を勧めてくれた。同じランゲ地方のサラダだ。セロリに塩をして、アップルビネガーで軽くマリネし、マリネ液を切ってから、角切りにしたリンゴ、アップルビネガー、オリーブオイル、コショウで和えて、最後に角切りのロビオーラを入れて混ぜるだけ。マリネしてクセが和らいだセロリに、ロビオーラの強めの風味が際立つ。

「インサラータ・ランガローラ」というイタリア北部のサラダ(料理提供 マジカメンテ)

さて、この「白糠酪恵舎」を初めての修業の場に選び、その後、イタリアにおもむいたのが、チーズ工房「イル・リコッターロ」(岡山県真庭市)の竹内雄一郎さんだ。ここの「リコッタ・フレスカ(『フレッシュなリコッタ』の意味)」を初めて東京で買って食べた際、日本でもこれほどフレッシュなおいしいリコッタをつくることができるのだと驚いた記憶がある。

「イル・リコッターロ」でリコッタづくりをする竹内さん(写真提供 イル・リコッターロ)

厳密にいうと、リコッタはチーズづくりの過程で出るホエイ(乳清)を加熱してつくるので、現地イタリアでは、乳と凝乳酵素からつくると法律で定められた「チーズ」ではないが、イタリアの食文化では料理や菓子づくりに欠かせない大切な産品だ。

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リコッタの魅力にとりつかれ