近年、パソコンやスマートフォン(以下、スマホ)を取り巻く音楽環境は劇的に進化しました。聴き放題のストリーミング配信サービスも一気に普及。その一部は制限付きながら無料でも使えます。パソコンやスマホでの最新オーディオの楽しみ方を紹介しましょう。具体的なポイントを5回にわたって徹底解説します。
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ここからはパソコンを中心に音楽を高音質で楽しむ「PCオーディオ」の魅力を紹介する。最初のステップとして音楽CDの取り込み(リッピング)から始め、次のステップでハイレゾに挑戦しよう(図1)。「今さらCD?」と思うかもしれないが、音楽メディアの主役を長年務めてきた音楽CDの音質は意外に高い。スペック上は人間の耳で聴くのに十分なダイナミックレンジと音域を備える。MP3などのロッシーの音楽データに慣れ親しんだ人が、ロスレスによる音楽CD本来の音質で聴けばその違いに気付くはずだ。

ロスレスにはいくつかの形式があり、主流はFLAC(フラック)形式(図2)。ロスレスの難点はファイルサイズが大きくなることだが、近年は大容量ストレージが普及しているので、困ることはそうないはずだ(図3)。標準アプリのWindows Media Playerでも、音楽CDをFLACでリッピングできる。とはいえ、ここでは機能が豊富な無料アプリ「MusicBee(ミュージックビー)」をお薦めしたい(図4)。光学ドライブごとの特性に基づいた補正値を取得し、データベースを参照してエラーをチェックするという機能を搭載する。さらに、ハイレゾ音源を高音質で再生できる機能を備えているのも、Windows Media Playerにはない長所だ。


