見た目豪快でも女子に食べやすい味と量

天ぷらはカウンターの中で、オートフライヤーなどは使わず、3人ほどの職人が延々と揚げ続けている

待つことおよそ10分。席の空き具合を見ながらレジで注文し、オヤジ一人でカウンターに座る。もちろんハイボールは当然だ。緊急事態宣言明けの幸せをしみじみ感じる。

キッチンは、天丼と天ぷらのファストフード業態である「てんや」のようにオートフライヤーなどは使わず、3人ほどの職人が延々と揚げ続けている。福岡で天ぷらの繁盛店を10店近く展開している「天麩羅処ひらお」に近い仕組みだ。それ自体は新しい仕組みはないのだけれど、とにかく客が引きもきらない。午後2時を過ぎても次々と客が入ってくる。

特徴的なのが、若い女性客が多いこと。多いのはカップル客なのだが、一人客も少なくない。最近の店で、ここまで女性の一人客が多いのはなかなか見ない。池袋の東口、サンシャイン通りの周囲は中小企業が多く、そこで働く人々が来ている可能性はあるが、それだけではないだろう。かといって「映える」からわざわざきている匂いは少ない。もちろん、みんな写真は撮るが、それをSNS(交流サイト)にアップするというより、単純に食事を楽しみにしてきているようだ。

「羽田市場天丼」は具材が多いため、丼の蓋に一部を盛り変えて食べるのが、お約束

ここで、よく考えられていると思うのは、女性でも「食べやすい」メニュー構成であることだ。いろいろなタネが大きくあふれているように見えるが、実は丼自体はそう大きくない。丼の上の口径は広いのだが、下は割とシュッとしている。分量自体はさほど大きくなく、食べやすい。

丼タレもあまり甘さを感じないストレートタイプ。これは食べ飽きないスタイルだ。だから周囲の女性たちも、びっくりするくらい、ガツガツと食べ、結局完食していた。

無料の付け合わせ「黒ガリ」。ガリとしてはさほど甘酸っぱくなく、福神漬けに近い味わい。口の中をリフレッシュしてくれる

意外に良いのが、無料の「黒ガリ」。牛丼の「吉野家」の紅ショウガのような感じで、各テーブルに用意されている。これがなかなか。甘みや酸味は弱めなのだけど、口の中をリフレッシュする力がある。仕上げは、「はも昆布出汁(だし)」。こちらもすべてのテーブルにあり、自由に使うことができる。メインのインパクトに負けないくらい、細かいところに気配りがある。

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飛行機を使った「超速鮮魚」が羽田市場の原点