ピノ・グリの作付面積が大幅増

新顔の品種も目を引いた。「ラ・クレマ モントレー・ピノ・グリ 2019」(3850円)はピノ・グリから造られた白ワインで、フルーティーだが、しっかりとしたボディで、酸味も感じられる。フランス・アルザス地方や北イタリアの主要品種であるピノ・グリは世界的にも人気が高まっている。カリフォルニア州のピノ・グリの作付面積はこの20年間で約6倍と大幅に増え、今や高級白ブドウ品種の中ではシャルドネに次ぐ。

「ラ・クレマ モントレー・ピノ・グリ 2019」

ナパバレーは開発が厳しく規制されているため、畑を広げる余地がほとんどない。そのため、新しい品種はモントレーなどナパバレー以外の産地に多い。これもナパバレー以外の産地への注目が高まる理由の1つになっている。モントレーはサンフランシスコの南に位置するモントレー湾を臨む細長い渓谷状のワイン産地で、さまざまな種類のブドウ品種が栽培されている。

「ダオヴィンヤーズ カベルネソーヴィニヨン 2018」

さらに、ナパバレーのワインは近年、原料ブドウの仕入れ価格の高騰を背景に割高感が強まっている。カリフォルニア州食料農業局によると、21年のカリフォルニア州内のカベルネ・ソーヴィニヨンの平均取引価格は1トン当たり1643ドル(約20万円)だったが、ナパバレーのあるナパ郡内の平均取引価格はその約5倍の8073ドルだった。1万ドル、2万ドル台もざらで、最高は6万ドルを超えていた。

このため、ナパバレーより安い価格帯で、同等の品質を持つワインに対する関心が高まっている。例えば「ダオヴィンヤーズ カベルネソーヴィニヨン 2018」(5280円)もそのひとつ。モントレーとサンタバーバラの中間にあるパソ・ロブレス産のワインで、ナパバレーの高級ワインに引けをとらない味わいのフルボディの1本だ。1本数万円というものも珍しくないナパバレーのワインと比べると、かなりお手ごろ価格になっている。

※価格は税込み参考小売価格

(ライター 猪瀬聖)

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