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ナパだけじゃない 魅力的なカリフォルニアワイン5本

エンジョイ・ワイン(48)

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NIKKEI STYLE

米カリフォルニアのワインと聞くと、「ナパバレー」産を真っ先に思い浮かべる人も多いだろう。だが、近年は消費者の嗜好(しこう)の変化や気候変動の影響などを受け、周辺の他の銘醸地産にも注目が集まる。業界団体であるカリフォルニアワイン協会(本部・カリフォルニア州サンフランシスコ)がこのほど東京都内で開いた試飲会で、印象に残った「知られざるカリフォルニアワイン」を何本か紹介しよう。

ナパバレーが日本でいかにカリフォルニアワインの代名詞になっているかは、2009年公開の邦画『サイドウェイズ』を振り返れば明らかだ。ワインがテーマの同作品は04年に米国でヒットした『サイドウェイ』のリメイク版。だが、オリジナル版では南カリフォルニアのサンタバーバラが舞台だったのに対し、リメイク版の舞台は日本で知名度が高いナパバレーだった。

ナパバレーのワインの典型的なイメージといえば、赤は完熟したカベルネ・ソーヴィニヨンの濃厚な香りと新樽(たる)を使った熟成によって生まれるチョコレートやバニラの甘い香りが特徴の、アルコール度数の高いフルボディ。また、白は完熟したシャルドネが醸し出すパイナップルやマンゴーの香り、そして新樽由来のココナツやバニラの甘い香りに包まれたパワフルなワインを想像する人が多いはず。それらはそっくりそのまま、カリフォルニアワインのイメージと重なる。

カリフォルニアでは10年ほど前から新たな変化が起きている。一言で表現すれば「パワフルからエレガントへ」だ。例えば、食事と合わせやすいようにアルコール度数を抑えたり、ブドウ本来の風味を楽しむために新樽の使用を控えたり。また重厚な味わいのカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネ一辺倒ではなく、産地の気候にあった品種を栽培するといった動きが顕著になっている。これらは消費者のし好の多様化を踏まえ、世界のワイン産地で同時多発的に起きている変化でもある。

11年には新たなスタイルのカリフォルニアワイン造りを目指す数十人の生産者が「In Pursuit of Balance」(イン パスート オブ バランス =バランスを求めて、という意味)を結成し、話題となった。このグループは16年に解散したが、その流れを受け継ぐ生産者は増えている。

目立つ新潮流反映のワイン

試飲会では、そんな新潮流を反映したかのようなワインが目立った。例えば「ディアバーグ ヴィンヤード シャルドネ サンタ・マリア・ヴァレー 2016」(4950円)。トロピカルフルーツやココナツの香りを漂わせながらも、柑橘(かんきつ)系果物のようなさわやかな酸味が印象的なシャルドネだ。

サンタ・マリア・バレーはサンタバーバラの一部で、冷たいカリフォルニア海流の影響で真夏でも涼しい海風がブドウ畑に吹き付ける。そのため、ピノ・ノワールやシャルドネといった本来、冷涼な土地に適したブドウ品種が主に栽培され、果実味と酸味のバランスに優れたワインが多い。

赤の「カンブリア ジュリアズ・ヴィンヤード・ピノ・ノワール 2015」(5060円)もサンタ・マリア・バレーのワイン。ストロベリーやクランベリーなど赤系果実の香りに加え、シナモンや土をイメージさせる複雑な香りの漂うエレガントなワインだ。

サンタ・マリア・バレーに代表されるように、カリフォルニアで最近注目のワイン産地には比較的冷涼な気候のところが多い。理由の1つが地球温暖化。夏場の気温が高すぎるとブドウの糖度が必要以上に上がり、アルコール度数がやたらと高く酸味の乏しいバランスを欠いたワインになりがちだ。カリフォルニアのワイン産地はもともと温暖な地域が多かっただけに、さらなる温暖化はマイナスの影響のほうが大きい。そのため、より冷涼な産地の注目度が高まっている。冷涼な気候のほうがエレガントなワインも造りやすい。

ナパバレーの西に位置するソノマも、カリフォルニア海流の影響を受け、比較的冷涼な気候で知られる。特にピノ・ノワールとシャルドネは評価が高い。

そのソノマのワインで印象に残ったのが、「ナカイヴィンヤード ナカイシャルドネ すっぴん エステートボトル 2017」(5500円)。東京出身の中井章惠さんがソノマのロシアン・リバー・バレーに所有する畑のブドウから造ったこのワインは、シャルドネには珍しい樽を使わないタイプ。新樽を使いワインに樽の香りを付けることを「化粧する」とも言う。樽を使っていない、ユニークなワイン名の由来は、化粧をしていない、ということにちなむ。完熟した桃や洋ナシの香りが印象的で、酸味とのバランスにも優れた1本だ。

ピノ・グリの作付面積が大幅増

新顔の品種も目を引いた。「ラ・クレマ モントレー・ピノ・グリ 2019」(3850円)はピノ・グリから造られた白ワインで、フルーティーだが、しっかりとしたボディで、酸味も感じられる。フランス・アルザス地方や北イタリアの主要品種であるピノ・グリは世界的にも人気が高まっている。カリフォルニア州のピノ・グリの作付面積はこの20年間で約6倍と大幅に増え、今や高級白ブドウ品種の中ではシャルドネに次ぐ。

ナパバレーは開発が厳しく規制されているため、畑を広げる余地がほとんどない。そのため、新しい品種はモントレーなどナパバレー以外の産地に多い。これもナパバレー以外の産地への注目が高まる理由の1つになっている。モントレーはサンフランシスコの南に位置するモントレー湾を臨む細長い渓谷状のワイン産地で、さまざまな種類のブドウ品種が栽培されている。

さらに、ナパバレーのワインは近年、原料ブドウの仕入れ価格の高騰を背景に割高感が強まっている。カリフォルニア州食料農業局によると、21年のカリフォルニア州内のカベルネ・ソーヴィニヨンの平均取引価格は1トン当たり1643ドル(約20万円)だったが、ナパバレーのあるナパ郡内の平均取引価格はその約5倍の8073ドルだった。1万ドル、2万ドル台もざらで、最高は6万ドルを超えていた。

このため、ナパバレーより安い価格帯で、同等の品質を持つワインに対する関心が高まっている。例えば「ダオヴィンヤーズ カベルネソーヴィニヨン 2018」(5280円)もそのひとつ。モントレーとサンタバーバラの中間にあるパソ・ロブレス産のワインで、ナパバレーの高級ワインに引けをとらない味わいのフルボディの1本だ。1本数万円というものも珍しくないナパバレーのワインと比べると、かなりお手ごろ価格になっている。

※価格は税込み参考小売価格

(ライター 猪瀬聖)

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