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写真はイメージ=PIXTA

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デジタルトランスフォーメーション(DX)化を急ぐ大企業の取り組みを尻目に、消極的な中小企業は少なくない。しかし、グーグルクラウド社員も驚くほどITツールを使いこなし、コロナ禍の中で一気に業績を上げた京都市の老舗企業があった。手芸卸のハマヤだ。従業員の平均年齢50~60代だった手芸屋さんはなぜ変わったのか。

大半の従業員はデジタル化に反発

「デジタルなんて面倒くさいだけや」。若井信一郎さん(29)は2018年にCTO(最高技術責任者)としてハマヤに入社した際、大半の従業員から反発を食らった。もともと大阪でデジタルマーケティング企業のエンジニアをやっていた若井さんは、ハマヤ創業一族の有川祐己さん(現CEO)から誘われ、同社のデジタル化を任された。

ハマヤは有川さんの母親が社長という家族経営。手芸が斜陽産業となる中、有川さんは、従来の仕事を辞めて経営を引き継ぐことになったが、「このままでは会社が傾く」と若井さんに声をかけた。

しかし、多くの社員は「ITは嫌い。それでカネを稼げるのか」と否定的。社内は典型的なアナログ職場で、電話と電卓、伝票などの紙でやり取りされ、しかも「在庫商品の整理整頓や管理もちゃんとできていなかった」。予算も人材もいないと若井さんは頭を抱えた。

一人ひとりと対話、紙の課題山積

「何か仕事で辛いことないですか」。とりあえず現場の意見を吸収しようと、1人1人に声をかけて社内の課題を探った。EC(通販)部門の担当者に聞くと、毎日100枚以上の伝票を突き合わせてチェックするため時間がかかって困るという。

備品の発注の際も回覧板みたいにそれぞれの担当者の間を書類で回すが、字の汚い人がいて発注ミスが頻発、顧客側に迷惑をかけているという話も出てきた。

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