シャウエッセン35年ヒット続く 本場ドイツの食卓再現日本ハム「シャウエッセン」(上)

日本ハムの「シャウエッセン」は発売から37年を迎えた

日本に本格派のソーセージをもたらしたといえる存在が日本ハムのウインナーソーセージ「シャウエッセン」だ。1985年に発売され、それまではレストランなどでしか食べられなかったヒツジの腸を皮とし、中身に粗びき豚肉100%を詰めた商品を家庭に届けた。商品開発から発売に至るまでには、第1号商品ならではの、「消費者・市場をひらく」という苦難があった。

「シャウエッセンは価格が比較的高い商品です。それでも、日本で初めてのオールポーク(粗びき豚肉100%使用)でできた本格的なウインナーソーセージとして新しい世界を切り開いてきた点が評価されていると思います」。日本ハムでシャウエッセンに携わる小村勝・加工事業本部マーケティング推進部長はこう語る。

それでも、発売の直後はほとんど売れなかったという。「かじるとパリッと音の出る皮がむしろ当時のソーセージでは珍しかったからでしょう」と、長田昌之・加工事業本部商品統括事業部ハム・ソーセージ商品部長も説明に加わる。今では当たり前と思える、あの皮が破れるときの音は当時は一般になじみが薄かったという。

当時の日本でもソーセージはすでに売られていたが、一般的だったのは水産加工系の魚肉ソーセージか、食肉系でも皮なし(スキンレス)ウインナーがほとんど。子供に人気だった、いわゆる「タコちゃんウインナー」もあったが、これも当時は見た目を良くするために表面を赤く着色したものだったという。シャウエッセンのような本格タイプはドイツ料理店で食べるものだった。

シャウエッセンはケーシング(ソーセージを包む皮)に天然の羊腸を発売当初から使っている。羊腸が豚肉のうま味をしっかり閉じこめるので、内部に肉汁が残り、味わいに深みが増す。さらに、かじった際のパリッとした食感につながるわけで、天然の羊腸はシャウエッセンの醍醐味ともいえる。だが、当初はその「皮」こそが不評の原因だった。

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「皮があるから、音がする」 天然羊腸の魅力をアピール
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