説明下手な人に共通する思考回路も指摘

個別テクニック自体も目次でナンバリングされて、「魔法のように話がわかりやすくなる説明の4ステップ」「キーパーソンを味方につける2つの気配り」「スティーブ・ジョブズになってはいけない」などと示されている。目次で気になるテクニックを見つけたら、拾って読みにいくという読み方も悪くない。自分が抱える個別の問題点に応じて読むもよし、通読して自分の問題点を見つけるという読み方もできる。

個別のテクニックを紹介する前に、第1章で「説明下手な人にありがちな4つの特徴」をまとめる。著者が指摘するのは「下手な人は判で押したように、同じ思考回路をしている」ということだ。「自分の考え方の特徴を知り、改めるべきところを改め、その上でテクニックを身に付ければ、あなたが取り組む仕事は格段に上手くいく」と説く。

「説明の仕方という表に出る部分だけでなく、そのための準備や練習といった前段階のこともテクニックとして書いていて、そこに納得感がある。話し方、伝え方の本として目配りがきいている」と同書店でビジネス書を担当する岡崎史子さんは話す。2月末の入荷以来、ランキング上位から外れない売れゆきだという。

スキル系の本が目立つ売れ筋

それでは先週のランキングを見ていこう。

(1)ジェイソン流お金の増やし方厚切りジェイソン著(ぴあ)
(2)「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみたハック大学 ぺそ(アスコム)
(3)数値化の鬼安藤広大著(ダイヤモンド社)
(4)新しい世界の資源地図ダニエル・ヤーギン著(東洋経済新報社)
(5)やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ 大平信孝著(かんき出版)

(三省堂書店有楽町店、2022年3月14~20日)

1位はお笑いタレントでもある著者のマネー本。21年11月刊で息の長い売れ筋になっている。今回紹介した説明のテクニックを解説するスキル本が2位に入った。刊行以来3週にわたって上位が続いている。3位はいったん数字にして考えるビジネス思考法を解説した本。前回の本欄の記事「いったん数字にして考える 仕事ができる人の思考法」で紹介した。4位に入った米国を代表するエネルギー問題の専門家が世界の最新のエネルギー地図を詳述した本も、今月初めの本欄の記事「ウクライナ侵攻の背景もわかる 資源めぐる新しい地図」で紹介した。5位には、独自の目標実現法を開発したメンタルコーチによるやる気に頼ることなく自分を動かすためのコツを伝授する21年11月刊の本が入り、5冊中3冊がスキル系というベスト5だった。

(水柿武志)

「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた

著者 : ハック大学 ぺそ
出版 : アスコム
価格 : 1,540 円(税込み)