変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に一度訪れている準定点観測書店の青山ブックセンター本店だ。新型コロナウイルス感染拡大の第6波が続く中、平日の来客が少ない状況が続いており、ビジネス書も新刊の反応の鈍さが深刻だ。そんな中、書店員が注目するのは、一般的なビジネスパーソン向けに「クリエイティブ」をキーワードに課題解決の仕事術を説いた本だった。

元「セールスマン」が語るクリエイティブ

その本は齋藤太郎『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』(東洋経済新報社)。著者の齋藤氏は電通から独立し、課題の発見・解決を請け負う会社を起業したクリエイティブディレクター。サントリーの「角ハイボール」、ソースネクストの通訳機「ポケトーク」、タクシー配車アプリの「GO」など、広告展開を含むさまざまな課題解決の実績がある。

だが、本人はもともとクリエイティブ系のキャリアを歩んできたわけではなかった。電通ではテレビ局から広告枠を買い付けるメディアの仕事を6年、広告営業を4年、計10年を「セールスマン」として過ごしたという。そこから起業し、自らもクリエイティブディレクターの仕事をするようになる。そうした自身の体験をもとにクリエイティブ系ではない人にも実践できるクリエイティブな課題解決術を解説したのが本書だ。

著者は、コピーライティングやアートディレクションなど、一般的に言われる「クリエイティブ」を「表現のクリエイティブ」と位置づけ、クリエイティブにはそれ以外のクリエイティブ、すなわち「ビジネスのクリエイティブ」というものが存在すると指摘する。「新しい工夫をしたり、既存の思い込みを排除したり、物事を俯瞰で見たり、もう一工夫を加えて何か変えられることがあるのではないかと考える。ちょっと違う角度から、アイデアを紡ぎ出す」。課題解決のためのこうした思考のことを「ビジネスのクリエイティブ」と著者は呼ぶ。

そうした思考法を5章構成で解き明かしていく。前半の3章で課題解決の3つのステップを解説し、後半の2章は、そうした課題解決力を高めるためのスキルとマインドに当てられる。

直近のビジネス書売れ筋上位の本を集めた平台に面陳列で展示する(青山ブックセンター本店)

直近のビジネス書売れ筋上位の本を集めた平台に面陳列で展示する(青山ブックセンター本店)

課題解決の3つのステップとは、「課題の本質を見つける」「解決策の仮説を立てる」「解決策につなげる」。本質を見つけるときには「探る」「聞く」「見る」、仮説を立てるには「想像する」「考える」「生み出す」、解決策につなげるには「動かす」「選ぶ」「伝える」のスキルが必要となってくると説く。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック