最新紺ブレは王道・モダン 女性の制服萌えを刺激ファッションディレクター 清水久美子

英国海軍が発祥のダブル、英ケンブリッジ大学の競技用が発祥のシングルなど源流が2種ある

秋深し。丸の内は行幸通りのカフェテラスも膝掛けなどが用意される肌寒いシーズンです。カフェオレなどで手を温めつつも、女同士の会話は尽きぬもの。ましてや恋話となれば、その熱量は常夏。本日も、その胸を痛めた出来事を語ります。




「思っていたのとはちょっと違っていたの……」などと、話題はもちろん昨日のデートのこと。同じく丸の内は行幸通りを根城にする同僚に、そのホットな思いをぶつけます。そう、一目ぼれした歯医者さんと、やっとこぎ着けた待望のデート。待ち合わせに現れた彼は無論、好感度ばっちりのジャケパンスタイル。「センスが良くてすてきだったんだけどね……」とは言いつつも、何やらご不満のご様子です。

「医院で見た時はもっと格好いい印象だったんだけどなあ」と、ぽつんとつぶやきます。それを聞いた同僚はピンときます。そう、それは丸の内かいわいの女性たちの間で通称「ユニホームマジック」と呼ばれる現象。軍服、白衣などユニホームが持つストイックで、隆(りゅう)とした雰囲気は女性にとって実にセクシーに映るものなのです。

ましてや、仕事中のピリッとした表情も加われば、男前度がドーンとアップして映ります。あの大ヒット映画「トップガン マーヴェリック」でも格好いい名シーンは数あれど、友人を見送る際のトム・クルーズの海軍の正装姿には世界中の女性の心がわしづかみ状態になったのは間違いございません。猫にまたたび、女性に制服。かように男前の底上げ効果満点なのが、男性のユニホーム姿なのです。

「うまみは分かった。でも僕的には週末、何を着ていくかが今の問題」とは、新しい出会いにウキウキダンスのダーリンのセリフ。彼女の好みをシミュレートして、話題のレストランを余念なくチェック中です。

ネイビーブレザー 元祖制服のストイックな美しさ

軍服や白衣など制服は確かに限られた職業の方のもの。ピンとこないのも分かります。ですが、その萌(も)え効果を難なくゲットし、しかもトレンド的にも流れに乗っかれるおいしいアイテムというのが――はい、あるのです。

そう、それがネイビーブレザー。英国海軍が発祥のダブル、英ケンブリッジ大学の競技用が発祥のシングルなど、その源流が2種あるアイテムですが、その根底に流れるのはどちらも元祖制服ならではのストイックな美しさです。くだんの色っぽさの底上げ効果を十分持ち合わせているのです。しかも、昨今プレッピー的なおしゃれが再注目のタイミング。女心にぐっときてトレンド的にも一枚上手感を出せるアイテムが、ネイビーブレザーなのです。

「ほっほお、大定番にそんなうまみが。じゃあ、一丁新調しちゃおかな!」と早くも丸の内に車を飛ばすダーリン。フットワークの軽さはかわいいですが、一口に紺ブレといっても、そのチョイスは意外に深いもの。歴史あるアイテムだけにブランドごとの解釈が違い、様々なバリエーションがあり、服好きであればあるほど、そのラビリンスにハマりがちです。また、あまりにお堅いデザインのものを選ぶと大人の男性には問題。アメカジのような少年っぽい印象が際立ち、壮年の存在感とかなりちぐはぐな印象で「あら、きょうは大人の七五三?」なる地雷を踏む危険性も。

ですから、王道の雰囲気を醸しつつ、大人を魅惑的にみせる今時のムードを巧みに仕込んだ進化系クラシックタイプこそが、まさにデート仕様の大人の紺ブレ。ド定番の印象が強いからこそ、モダンで洒脱(しゃだつ)な雰囲気で着こなせば「もう、センスいいんだから」と、おしゃれな女性ほど心をつかまれるという次第。そこで、王道にしてモダン、ストイックにして艶っぽいグッドバランスの紺ブレを選んでみました! これでこの秋冬、女性の「すてき」な視線は思いのままです!

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ダ・ペテリロ イタリアンな色気と優雅さ