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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に1度訪れる準定点観測書店の青山ブックセンター本店だ。来店客はそこそこ戻ってきつつあるものの、ビジネス書の売れゆきはあまり芳しくない様子だ。ランキング上位にも1年~半年前に刊行された息の長い売れ筋が並ぶ。そんな中、書店員が注目するのは、今後の社会における経済活動の新しいモデルとして多様な視点から「ファンダムエコノミー」を考える新刊の論集だった。

元WIRED若林氏らが編集に参画

その本はコクヨ野外学習センター編『ファンダムエコノミー入門』(プレジデント社)。編者のコクヨ野外学習センターは文具大手、コクヨのワークスタイル研究所と、編集者の若林恵氏がコンテンツディレクターを務めるコンテンツ制作レーベル、黒鳥社とのコラボレーションによるリサーチユニット。ワークスタイル研究所所長の山下正太郎氏がセンター長、「WIRED」日本版元編集長などとして著名な若林氏がキャプテンを務める。

その2人が注目したのが「ファンダムエコノミー」だ。ファンダムとは、何かの熱心なファンやそのグループを指す。ファンというものをビジネスの中心に置くことで巨大ビジネスを作り上げたのがK-POPのアイドルグループ、BTSだと本書は指摘する。こうした手法はどのような広がりを持つのか。インターネットとのつながりは? Web3やメタバース、NFT(非代替性トークン)といったこれから大きく発展していく技術とどうかかわっていくのか。そうしたさまざまな論点を研究者や実務家ら、ファンダムに強い関心を持つ識者との対話や論考から考えていく。

構成は8つのパートとブックガイドに分かれる。冒頭は山下、若林両氏による対談。続く7つのパートには1990年代からファンダム研究を手がける米国のメディア研究者、ヘンリー・ジェンキンズ氏、クリエーターエコノミーやWeb3に詳しいシリコンバレーのベンチャーキャピタリスト、リ・ジン氏、認知科学者の岡部大介氏、UXコンサルタントの藤井保文氏らが登場する。

ビジネス書コーナーの平台の上に面陳列で複数冊並べて展示する(青山ブックセンター本店)

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