dressing

2021/10/4
取材日の揚げ点心2種は揚げ春巻きと大根餅

さらに揚げ点心2種と続く。この日は揚げ春巻きと、大根餅(もち)。中国料理定番の揚げ春巻きは片栗粉でとろみをつけた餡(あん)ではなく、エビをメインに、大きくカットした黄ニラとアスパラガスを合わせ、ブラックペッパーでアクセントを加えるなど、脂っぽさや重たさがなく、旬食材の味わいが生きた逸品だ。

「軟らかさにこだわった」という大根餅は、冷たい状態から揚げることで辛うじて固形を維持しているといった具合。中はカスタードクリームのようなトロトロ状態で、外はカリッと香ばしく仕上がっており、このコントラストの美しさに笑みがあふれる。

「胡麻香るクリーミー坦々麺」はゴマやスープがしっかりからむ太麺を使う

シメは「胡麻(ゴマ)香るクリーミー坦々(たんたん)麺」と「加藤ポークのワンタンメン」(定期的に変更)の2種からお好みをチョイスできる。四川料理25年以上という佐々さんが手がける坦々麺は、見た目がオレンジがかった朱色のスープで一見辛そうに見えるが、胃の負担にならないよう仕上げている。四川省のトウガラシをメインにしつつも、色出しと香り出し用のトウガラシを併用することで、見た目よりも控えめでさわやかな辛さだ。

さらにスープがくどくならない程度にゴマを使用し、豆乳を加えることでコクとクリーミーさをプラスし、しっかりとゴマやスープがからむよう太麺を合わせている。アクセントに加えているのが、青菜の芽の部分だけで作られた四川省の漬物・芽菜(ヤーツァイ)を刻んだもの。コリコリとした歯ごたえと発酵感のある酸味や塩味がスープと合わさることで、最後まで飽きることなく坦々麺を食べることができる。

デザートのプリンにもうれしい驚きが隠されている。カラメルソースは紹興酒を元の量の半分以下になるまで煮詰め、黒糖のような香りを持つ砂糖を使って仕上げている。黒蜜のような甘さにほんのり紹興酒の味わいを感じられる大人なスイーツだ。

現在はイートインでの提供のみだが「今後テークアウトできるようにしていきたい」という。粋な手土産として喜ばれる日も近そうだ。

「意識していないのですが、和食のニュアンスを感じられるお客さんもいます」と佐々さんが言うように、一般的な四川料理のイメージよりも穏やかで、日本の四季を感じられるような食材の持つ力に耳を澄ませた料理がそろう「Ji Cube」。ディナーコースも1万1000円から提供しており、予約が殺到する前に訪れることをお薦めしたい。

<メニュー>

ランチコース 4400円 ※価格は税込み。

Ji Cube(ジーキューブ)
住所:東京都港区西麻布3-18-10
電話:03-6434-0076
営業時間 ランチ・土日祝 11:00~15:00、ディナー 18:00〜22:00 ※行政の要請により変更あり。
定休日 水・その他不定休
公式HP https://ji-cube3.studio.site/
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

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