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答えと解説

正解(間違っている説明)は、(1)まぶたに力を入れない状態で、黒目の一部にまぶたがかかっていたら眼瞼下垂 です。

まぶたが下がって目が開きにくくなった状態を、医学的には「眼瞼下垂(がんけんかすい)」と呼びます。まぶたの皮膚や脂肪は、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉が持ち上げています。一般的な加齢によるまぶたの下がりは、この眼瞼挙筋の力の低下、および皮膚のたるみなどによって起きます。しかし中には、大きな病気の症状として眼瞼下垂が現れてくることもあるので注意が必要です。

「眼瞼下垂は、加齢による変化のほかに、脳動脈瘤などの命に関わる病気や、重症筋無力症などの病気によって起こることがあります。まぶたを上げる眼瞼挙筋は動眼神経という神経に支配されているのですが、この動眼神経のある場所に脳動脈瘤ができやすいのです。脳動脈瘤ができてしまうと、その動脈瘤が動眼神経に当たり、動眼神経がうまく働かなくなることで、まぶたが下がってしまいます。一方、重症筋無力症の場合は、まぶたを上げる筋肉を動かそうとする神経のうち、末梢の神経に問題が起こるために眼瞼下垂が生じます」。二本松眼科病院(東京都江戸川区)副院長の平松類氏は、そう解説します。

脳動脈瘤が原因の眼瞼下垂では、「片方のまぶたが強く下がる」、「目の動きが悪くなって、ものが2つに見える」という症状が起こることがあります。一方、「朝方はそれほどではないが、夕方になるにつれてまぶたの下がりが強くなる」という場合は重症筋無力症の可能性があるので注意が必要です。

どのくらい黒目が隠れていたら眼瞼下垂?

では、どのくらいまぶたが下がっていれば眼瞼下垂と診断されるのでしょうか? 眼瞼下垂の重症度は、下図のようになっています。「まぶたの筋肉に力を入れて目を見開いてみてください。一生懸命まぶたを上げると、通常は黒目の全体が見えます。黒目の上に白目が見えていれば、正常です。ところが軽い眼瞼下垂になってくると、一生懸命まぶたを上げても、黒目にまぶたがかかってきます。とはいえ瞳孔にまではかかっていません。中等度になると、上まぶたで瞳孔の一部が隠れる状態になります。そのため、中等度になってくると見にくさを感じる人もいます。重度になると、瞳孔がまぶたで半分以上隠れた状態となります」(平松氏)

図1 眼瞼下垂の重症度

(イラスト=PIXTA)

このチェックポイントに気を付けて、さらに「左右差はないか?」「朝と夕方で違いはないか?」というのを確認してみましょう。

眼瞼下垂を誘発しやすいものとして、コンタクトレンズがあります。特に、ソフトコンタクトレンズよりハードコンタクトレンズの方がまぶたが下がりやすいことが、さまざまな研究で分かっています。このほか、かゆみなどのためにまぶたを繰り返しこする行為や、糖尿病や高血圧といった全身的な病気も眼瞼下垂のリスクになります。

眼瞼下垂の治療は、手術治療が基本です。「眼瞼下垂によってものが見にくい、日常生活に影響が出ているという場合は、眼科や形成外科で治療を行います。一方、美容目的で眼瞼下垂を治したいという場合は、美容外科になります。後者は全額自己負担の自由診療となります」(平松氏)。

この記事は、「まぶたが下がるのは年のせい? 『眼瞼下垂』の意外な原因」(平松類=眼科専門医)を基に作成しました。

[日経Gooday2022年8月8日付記事を再構成]

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